抄録
最近, わが国でも食品中のトランス脂肪について, 食品メーカー, 小売業者および消費者はそれぞれの立場から大きな関心を寄せている。日本人の平均的なトランス脂肪酸の摂取量について2007年6月に食品安全委員会から, 日本人1人, 1日当たりの摂取量は, 積み上げ方式で0.7g (0.3エネルギー%), 生産量からの推計では13g (0.6gエネルギー%) であると報告された。後者の推計値は1999年の生産量からの推計よりも0.26g (0.1エネルギー%) 減少した。この量は西洋諸国およびWHO/FAOおよびFDAの勧'告値よりも低い。これは, 伝統的な日本食は総体的に脂肪量が少ないからである。日本では現時点におけるTFAの摂取量は少ないので重要な問題ではないが, 若い年代層では西洋型の食事を好むので, 注意することが必要である。