抄録
界面活性剤は溶媒中で会合してさまざまな会合体を形成する。会合体の特性を理解することは, 工業製品の性能や品質の向上に繋がる。本稿では, HLB (親水性-親油性バランス) を制御することによるスポンジ相の生成およびマイクロエマルションキュービック相への油の可溶化量の向上について検討した結果を紹介する。親水性の高いアニオン性界面活性剤のHLBを制御する目的で, オレイン酸をコサーファクタントとして用いた。その結果, オレイン酸は, 親油性の臨界充填パラメータによるHLB制御効果に加え, 親水基同士の静電的な反発を抑制するという複合的な効果を有することが明らかになった。オレイン酸の添加は, 使用できる成分に制限のある系においても適用できる新しいHLB制御法であることが明らかになった。これらの結果を踏まえ, 高洗浄力な環境対応型洗浄剤の開発に繋げた。