抄録
超分子ポリマーとは, モノマーユニットが非共有結合により連結され, 希薄溶液または固体状態においてポリマーに類似した機械的性質や物性を示す分子集合体を指す。非共有結合の可逆性から, 超分子ポリマーは外部からの刺激に対して敏感にその状態を変化させ, 魅力的な刺激応答性を示すため, 生体に近いポリマー材料として注目されている。本総説では, 超分子ポリマーというコンセプトの根幹を支えてきた「相補的多重水素結合」によって形成される超分子ポリマーに焦点をあて, その歴史や特徴, さらに応用について紹介する。