オレオサイエンス
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特集総合論文
化粧品の機能, 使用感を高めるエマルション膜設計
酒井 裕二
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2009 年 9 巻 5 号 p. 175-182

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抄録
エマルション化粧品を皮膚上に投与すると, エマルション膜が形成される。この状態がエマルション化粧品の保水性, 閉塞性, 使用感等に大きく影響を与えることから, エマルション膜の状態の解明を試みた。ポリオキシエチレン系界面活性剤を用いたエマルションのエマルション膜は, エマルション滴が消滅していた。一方, ポリグリセリン脂肪酸エステルの方は, エマルション滴が維持されていた。保水性, 閉塞性は共に良好な結果を示した。これを連用することで, 角層状態も改善した。またアルギン酸プロピレングリコールエステルを用いたエマルション膜は, 上層に水和ゲル膜を作成した。そのため, 油相量を多くしても, べたつき感がなく, 良好な使用感を得ることができた。
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© 2009 公益社団法人 日本油化学会
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