抄録
平成19年2月、幸島のニホンザルについて野外調査を行い、捕獲した83頭のうち、69頭について血清生化学検査を行った。対象となったサルはオス32頭、メス37頭、年齢は平均9.7 (1-22)才であった。検査項目は総ビリルビン(t-bil)、総蛋白(TP)、アルブミン(Alb)、A/G比、AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、LDH、LAP、GGT、アミラーゼ(AMY)、CK、総コレステロール(Tchol)、Na、Cl、K、Ca、P、尿素窒素(BUN)、クレアチニン(Cre)、尿酸(UA)、およびCRPであった。第16回霊長類学会で報告された2000年の調査時の14項目の結果、および、霊長類研究所内で飼育されているニホンザルの値と比較した。肝酵素の上昇がみられた個体もいたが、全体としてはおおむね健康状態は良好であると思われた。TPについては現地にて屈折計法で測定し、0歳児を含めたすべてのサルの検査値を得た。0歳児のTP (7.2±0.3)は母親のTP (6.7±0.2)と比較し、有意に高値であった。また、TPは2000年の調査時に報告されている値よりも高値であったが、研究所内で飼育されているサルと比較すると低値であった。同様にAlbおよびCaも2000年と比較し2007年が高値であったが飼育されているサルよりも低値であった。