霊長類研究 Supplement
第25回日本霊長類学会大会
セッションID: A-1-1
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口頭発表
上顎犬歯形態の変異からみたマカク属の比較研究―メスについて―
*山田 博之
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抄録
人類進化史のかなりの期間(400-150万年前)においてAustralopithecus属,Paranthropus属とHomo属が共存していた。
これらの間には,犬歯形態に違いが見出される。彼らは異なる系統であるばかりでなく,異なった生態・社会をもち,それは犬歯形態に反映されている。霊長類の犬歯形態は性的二型を著明にあらわすことで広く知られている。
人類においても犬歯は性的二型が他の歯よりも強く現れるが,男女間に大きさの差はあまりない。犬歯の形態にあまり変異性がないとの予断により,犬歯の比較形態に関する研究はほとんどない。人類の棲み分けのモデルとして,今回は現生マカク属11種のメスをとりあげる。
先の研究でマカク属のオスでは上顎犬歯形態に4つの外形パターン(?T型:遠心縁の曲率が強い,?U型:遠心縁の曲率が弱い,?V型:遠心縁が直線的で,全体に細長い,?W型:遠心縁の曲率が弱く,全体的に丸い)が存在していることが明らかになった。
メスの上顎犬歯は他の歯と同じような大きさを示し,一見して単純と思われ,オスのような特殊な形態はしていない。
しかし,メスの犬歯形態もオスと同じように,種内および種間において外形パターンに変異性が示唆された。本研究では,マカク属の中でメスの犬歯形態にどのような変異が存在するのかを比較検討する。
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© 2009 日本霊長類学会
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