霊長類研究 Supplement
第39回日本霊長類学会大会
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中高生発表
ワカモノ期におけるオスチンパンジーの母子分離
寺尾 彰人
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p. 55

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抄録

一般に、チンパンジーPan troglodytesは9歳からワカモノ期と呼ばれ、親離れをする時期である。しかし、ワカモノ期のチンパンジーが親離れをする際の行動変化に注目した研究は他になく、チンパンジーの親離れはどのようなものか定義されていない。そこで、飼育されているワカモノ期と離乳期のチンパンジーの行動比較を行った。本研究では京都市動物園で飼育されている6頭のチンパンジーのうち、ワカモノ期のオス個体とその母親、離乳期にあたるオス個体とその母親の接触時間と行動を記録すると同時に、ワカモノ期と離乳期の個体それぞれの母親以外の個体と接触する時間とその行動の記録も行った。これらの観察を1年間にわたり毎週行った。また、グルーミングと示威行動にあたるディスプレイという行動に着目した。その結果、ワカモノ期の個体では母親との接触時間が減少するとともに、他個体へのグルーミング回数、ディスプレイ回数の増加が見られた。これらの行動変化がチンパンジーにおける親離れの行動であると考えられる。今後、これらの行動における回数変化が季節的なものかどうかを検証していく。それに加え、離乳期やコドモ期の個体とワカモノ期の個体ではどのように行動が異なるかを比較していく。

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