第3回国際身体活動公衆衛生会議(2010年5月,トロント市)において「身体活動のトロント憲章:世界規模での行動の呼びかけ」が採択された。本憲章は会議を主催した国際身体活動健康学会(International Society of Physical Activity and Health)の協議会の1つである Global Advocacy Council for Physical Activity が中心となって作成したものである。学会終了後,本会議への出席者が中心となって日 本語版への翻訳を行った。本稿では日本語版を資料として添付するとともに,憲章作成の背景,翻訳の経緯,憲章の内容等を解説した。
本憲章は,身体活動推進に携わる研究者,専門家,政策決定にかかわる者の合意として世界規模で身体活動推進の優先順位を高めるための行動を呼びかけ(call for action),関連する団体や個人に支援ツール(advocacy tool)を提供するものである。憲章の中心となる部分は,身体活動がもたらす効果の概要,「9つの指針」と「行動の枠組み」であり,身体活動推進の根拠と対策のあり方が示されている。
本憲章は政策立案に際してのチェックリスト,政策決定者の説得,現在行われている事業のチェックや課題の抽出,研究課題の抽出,論文作成時の引用文献などとして有用であり,広く活用されることが期待される。