運動疫学研究
Online ISSN : 2434-2017
Print ISSN : 1347-5827
受講種目別にみた大学教養体育授業における経験とライフスキル獲得の特徴
奈良 隆章 島本 好平
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論文ID: 2501

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抄録
目的:本研究の目的は,同一大学の体育授業において実施されている複数の種目に着目し,各種目の受講を通じて受講生にもたらされる経験およびライフスキル(以下「LS」と略す)獲得の特徴を明らかにすることであった。
方法:関東地区の総合大学であるZ大学で開講された体育授業のうち,リフレッシュ体操,柔道,サッカー,野外運動,ニュースポーツを2022年度秋学期に履修した学生212名(男子111名,女子101名)を対象とした。全10回の授業の内,第9回終了時に大学体育実技経験評価尺度による横断調査を,第1回および第9回終了時に日常生活スキル尺度(大学生版)による縦断調査をそれぞれ行った。大学体育実技経験評価尺度の各得点については一要因分散分析を,日常生活スキル尺度(大学生版)の各得点については二要因分散分析をそれぞれ適用した。
結果:大学体育実技経験評価尺度の各得点については,全般的に野外運動の値が大きかった。また,各種目の受講前後におけるLS得点の変化については,「親和性」と「対人マナー」において種目×時間の交互作用が認められ(親和性:η²G=0.01,対人マナー:η²G=0.01),「親和性」については柔道の受講前後で有意な向上が,「対人マナー」についてはニュースポーツの受講前後で有意な低下が確認された。一方,「リーダーシップ」,「感受性」,「情報要約力」については,被験者内要因(時間)の主効果が有意であり,受講前よりも受講後の値が高かった(リーダーシップ:η²G=0.01,感受性:η²G=0.01,情報要約力:η²G=0.01)。
結論:LS獲得に寄与する授業内での経験については,全般的に野外運動の値が大きい傾向にあった。LS獲得については,柔道における「親和性」の向上やニュースポーツにおける「対人マナー」の低下が特徴として挙げられたが,種目を問わず複数のLSの下位尺度が向上することが明らかとなった。そのため,本研究で対象とした5種目はいずれも受講生のLS獲得に貢献し得るものであると言えよう。
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