2017 年 16 巻 2 号 p. 116-123
本研究は、今後の民有地緑化のあり方を考察するために、緑化誘導の条例等に採用されている定量的な誘導基準を分類し検討することを目的としたものである。調査の結果、都道府県の27.7%、政令指定都市の75%が定量的緑化誘導基準を保有しており、その多くが工場立地法の影響を、残りが景観法や地球温暖化対策の影響を受けて制定されていた。緑化率の分母は敷地面積もしくは空地面積の2タイプがあり、緑化率の計算式も緑被もしくは緑視を基礎とした2タイプが存在することが分かった。さらに配置に関する規定や建築物上の緑化に関する規定などが存在し、全体を分類の結果、定量的緑化誘導基準は6つの規定から構成されることが確認できた。この研究により、今後はこの6つの規定をコントロールすることで新たな制度設計が可能になる。