理学療法学
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Mirror Therapyが非利き手書字課題の運動イメージに与える影響
高取 克彦梛野 浩司徳久 謙太郎松尾 篤庄本 康治
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2005 年 32 巻 5 号 p. 341-343

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抄録
本研究の目的は,健常者における非利き手書字課題へのMirror Therapyが書字の運動イメージ練習のみよりも課題の心的遂行時間および実際の遂行時間を短縮させるか否かを検討することである。対象は健常成人21名とし,課題は「理学療法」の4文字を非利き手で心的(想像下)に書字すること,および実際に書字することとした。各被検者に課題の運動イメージ練習およびMirror Therapyを15分間実施し,各介入前後での課題遂行時間を比較した。Mirror Therapy後の心的および実際の書字時間は両課題共に介入前より有意に短縮した。運動イメージ練習のみでは両課題遂行時間は短縮する傾向にあったが統計学的な有意差は検出されなかった。今回の結果からMirror Therapyはその視覚的フィードバックにより,課題遂行イメージを具体化させ,運動イメージ練習単独よりも有効な即時効果があることが示唆された。
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© 2005 公益社団法人 日本理学療法士協会
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