スポーツパフォーマンス研究
Online ISSN : 2187-1787
国内男子トップカテゴリーのバレーボールにおけるインシステムとアウトオブシステムに着目した攻撃状況ごとに区分したアタックと勝率に関するゲーム分析
山口 裕太郎 秋山 央
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 17 巻 p. 24-47

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抄録
日本のバレーボール戦術の発展のためには,世界レベルの分析も重要であるが,国内に目を向けることが必要である.そこで国内トップカテゴリーのV リーグ(2019 ‐ 20season)を対象に,勝敗への影響が大きいとされる「アタック」について,試合の勝敗との関連を分析した.アタックを状況別に細分化し,項目ごとに分析することで,チーム作り等の指針を得ることを目的とした.結果では主に,レセプションの返球状況が良いインシステム時のクイックの使用,決定力,失点に関する項目と,攻撃状況に関わらず,ライトサイドでアタックを行うオポジットの試合を通じた働きが勝敗に大きく影響することが示唆された.攻撃状況が整ったときにクイックを使って得点をとり,乱れた状況下でオポジットが得点をとれるチームが試合に勝つ.国内のバレーボール構造を明確にした点で,非常に有意義な研究であったと考えられる.V リーグにおけるオポジットは外国籍選手が多く, 外国籍選手の能力がチームの勝敗を決定付けているといっても過言ではない.この研究を基に国内で勝つだけでなく,世界に通用するバレーボール構造を考えていく必要があるだろう.
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© 2025 日本スポーツパフォーマンス学会
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