レギュラトリーサイエンス学会誌
Online ISSN : 2189-0447
Print ISSN : 2185-7113
ISSN-L : 2185-7113
シリーズ(医薬品・医療機器評価をめぐる最近の話題)
薬物相互作用に関する新ガイドライン案
斎藤 嘉朗前川 京子大野 泰雄
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 4 巻 3 号 p. 249-255

詳細
抄録
医薬品開発における薬物相互作用の評価は,臨床試験における副作用の低減と市販後の適正使用確保のために重要である.本邦の現指針は,発出後,既に10年以上が経過し,薬物相互作用に関する多くの科学的知見や臨床経験が蓄積した.また欧米も新しいガイドライン又はガイダンス案を発表している.そこで本邦でも平成24年12月より,産学官の専門家で構成される研究班により,新ガイドライン案の検討が開始され,パブリックコメントを経て,平成26年5月に最終案をまとめ,厚生労働省に報告し公表された.新指針案では,最新の情報に基づき,また欧米の指針との調和についても配慮しつつ,全面的に改定し,詳細な記述を加えた.以下は新たな内容であり,特記される.1)トランスポーターに関する記載追加,2)決定樹による必要試験の明確化,3)薬物動態モデルとシミュレーションによる評価に関する記載追加,4)シトクロムP450の主要分子種における阻害薬・誘導薬の強度分類と相互作用を受けやすい基質薬に関する記載,5)生物薬品との相互作用に関する記述の追記,7)添付文書への反映に関する方法の記載.本稿では,上記の内容を中心に,新指針案について概説する.
著者関連情報
© 2014 レギュラトリーサイエンス学会
前の記事 次の記事
feedback
Top