化学物質の安全をめぐリリスクコミュニケーションが注目されつつあるが,人により理解がさまざまな実状にある.「リスク」と「コミュニケーション」について,基本的な考え方とその歴史的な背景を欧米や国際機関における経験の蓄積から説きおこし,わが国のこれまでの実態と比較しっつ解説した,リスクコミゴニケーションをマニュアルに沿ったテクニックとしてではなく,現実の問題解決のために,問題点の抽出,科学的なリスクアセスメント,アセスメント結果をべ一スにしたリスクマネジメントの意志決定と実施,実施結果の再評価というサイクリックなプロセスとしてとらえ,そのすべてのプロセスに利害関係者が直接関与していくことの意味と重要性を強調した.また筆者らの調査結果を基に,「表示」を通して消費者と商品提供者が対話する可能性を検討した結果を紹介した.