2017 年 56 巻 2 号 p. 84-91
欧米の多国籍企業(以下,「グローバル企業」)が実施するサプライヤーCSR 監査に,日本企業が大企業といえども労働安全衛生管理面で適合できない事例が散見されている. 筆者は,その理由はグローバル企業に比べて特異な日本企業の労働安全衛生マネジメントシステム(以下,「OHSMS」)にあると考え,その検証を試みた.その手法として,製造業を対象に,日本企業とグローバル企業,両者のOHSMS を知る専門家18 名に優劣の相対評価を依頼した. その結果,OHSMS から抽出した6 要素において,「従業員の参画」は同等,「リーダーシップ」,「リスクアセスメント」,「コンプライアンス」,「リスク管理策」,「監査」の5 要素は日本企業が劣位にあると評価された.ISO45001 の発行を控え,グローバル化に直面する日本企業はグローバル企業とのギャップを認識し,OHSMS の改善に努める必要がある.