2023 年 30 巻 1 号 p. 24-25
Ⅰ.目的
口腔外の組織と比較して口腔内の疼痛受容機構についての報告は少なく,さらに老化が口腔粘膜の疼痛受容に及ぼす影響については不明な点が多い.近年,顎顔面領域の疼痛調節に対し,三叉神経節(TG)中のマクロファージの関与が注目されている1).マクロファージは,組織損傷時や感染によって活性化した後,炎症型(M1)と抗炎症型(M2)に性質変化し,M1は炎症性,M2は抗炎症性のケミカルメディエーターを放出することで疼痛の増強あるいは減弱に関与することが報告されている2).そこで本研究では,老化促進モデルマウス(SAMP8)を用い,口蓋粘膜損傷後におけるTGでのマクロファージの活性化及びM1/M2への性質変化様相を,若齢マウス(SAMR1)と比較検討し,老化が口腔粘膜の疼痛受容機構に及ぼす変化について免疫応答系に着目して解明することを目的とした.