抄録
症例は57歳, 男性. 薬剤抵抗性の発作性心房細動に対して2012年7月カテーテルアブレーション治療を施行. この際肺静脈隔離術および下大静脈三尖弁輪間峡部線状焼灼を施行した. 心房細動の再発に対して2013年3月2回目のカテーテルアブレーション治療を施行. 右下肺静脈-左房間の再伝導部位へのアブレーション後, ATP投与を行ったところ心房細動が出現. 除細動後再びATPを投与すると再現性をもって心房細動が誘発された. 先行する上室性期外収縮は右房起源と判断し, カテーテルでマッピングし右房外側に通電を行うも期外収縮の減少および心房細動誘発抑制の効果が得られなかったため, 右房にEnsite Arrayを留置. Non-contact mappingで解析したところ, 右房側壁にearly activation siteを認め, preferential conductionを介して右心耳近傍にbreak out siteが記録された. Break out siteへの通電後にはATPを投与するも心房細動は誘発されなくなった. 退院後も心房細動の再発は認めていない. 非肺静脈起源の心房細動再発に対してEnsite Arrayが有効であった1例であり報告する.