抄録
本研究では室内空気中のアクリルアミドの測定法について検討した。本法では室内空気中のガス状アクリルアミドを活性炭サンプラーに捕集し, メタノールで抽出後, GC/MSで測定する方法である。本報告では, 抽出方法, 捕集率, 再現性, 保存安定性, その他, 基礎的検討を行った。その結果, 抽出法は超音波抽出法を選定し, 抽出時間は10分, 捕集率はサンプラー1本で95%以上であった。繰り返し精度は相対標準偏差で4.6%, 定量下限値は11.9 ng/m3(1 L/min x 24 hours, 1440 L sampling), サンプラー中のアクリルアミドの保存安定性は室温で10日間は安定であった。本法を用いて室内空気中のアクリルアミドの測定を行った。その結果, 一般の住宅内では検出されなかった。一方, 室内で蚊取り線香使用時に23 ng/m3, 置き煙草状況下で116-6133 ng/m3の範囲で検出された。