中学校1学年「溶解」単元において,粒子モデルの認識を指導過程の中で複数回の調査をした。調査から得られた,生徒の実態を学習指導の改善に反映させた実践的研究である。教科書にある粒子の説明を提示するだけでは,水溶液中に粒子モデルを表現できる生徒は約半数である。水溶液中の粒子の存在を,イメージできていない生徒が多いと推測される。水溶液中の粒子の大きさや質量,性質を学習することで,生徒は水溶液中の粒子の存在を認識し,粒子モデルを表現することが可能となった。しかし,目に見える砂糖の粒と,水溶液中のこれ以上分けることのできない最小の粒を区別せず,同じ“〇”と表現する生徒が半数存在した。そこで,水溶液中の粒子の大きさや質量,性質の学習と共に,粒子モデルの取り扱いに関する学習を行った。その結果,約7割の生徒が正しい粒子モデルを表現することができた。以上から,粒子モデルの科学的理解のためには,分子レベルの粒子の存在と特徴を学習するとともに,粒子モデルの適用方法を学習する必要であることが示唆された。一方で,目に見えない粒子をモデルで置き換えることを一貫して疑問視する生徒が存在することは課題である。