2013 年 53 巻 3 号 p. 419-427
理科における探究学習論は,米国新カリキュラム運動の中で,J.J.シュワブらによって提唱された考え方を基礎としている。本研究では、シュワブの探究観を分析し,それとの関連から,探究におけるディスカッションの位置づけ,科学授業へのディスカッション導入の意義に関するシュワブの考えについて,以下の点を明らかにした。すなわち,第一には,シュワブの探究観は,(1)探究の二相性,(2)探究の社会性,(3)探究の多様性によって特徴づけられる点。また第二には,シュワブの探究観のうち,探究の社会性を基礎としながら,探究の多様性の観点から,自然の事物・現象に関する様々な見方を関係づけるものとして,科学的探究におけるディスカッションの必要性が導かれている点。そして第三には,シュワブはそのような視座から科学授業にディスカッションを導入することによって,科学的知識の洗練過程を授業で実践することを目指している点である。