本研究では, 変数が明確な実験における考察を記述する能力を育成するための指導方策を開発し, その効果を実践的に検証することを目的とした。「独立変数」, 「独立変数の変化」, 「従属変数」, 「従属変数の変化」の4種類の要素を, 変数が明確な実験の考察を記述する際に, 児童が満たせるようになることを目指した。具体的には, 問題文と実験結果の表と共に, 考察の記述例を五つ提示し, それぞれの記述例が4種類の要素を満たしているかどうかを児童自身に評価させる。この方策を小学校5年「ふりこのきまり」単元に導入したところ, 4種類の要素を含めて考察を記述できた児童が増えたことから, 開発した指導方策の有効性が明らかとなった。