2019 年 85 巻 5 号 p. 478-486
四万十川でテナガエビ類3種の分布と体サイズを調べた。分布上流限はテナガエビで河口から28 km,ミナミテナガエビで54 km,ヒラテテナガエビで83 kmにあり,種間差がみられた。各月の頭胸甲長の頻度分布において,3種の新規加入群は8-9月に出現し始めた後,12月までに最頻値は7 mm前後となった。その後,最頻値は繁殖期直前の4-5月に顕著に増大して10-13 mm前後となり,この際,新規加入群より高齢と判断される大型個体の割合は,ヒラテテナガエビに比べて他2種で低い特徴にあった。