胆道
Online ISSN : 1883-6879
Print ISSN : 0914-0077
ISSN-L : 0914-0077
総説
十二指腸乳頭括約筋の運動生理学とその臨床応用
髙畑 俊一田中 雅夫
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 37 巻 4 号 p. 775-786

詳細
抄録

十二指腸乳頭括約筋Sphincter of Oddi(SO)は胆汁の流出を制御し,胆管・膵管への逆流を防止する.食後には胆嚢収縮にあわせて弛緩し胆汁を流出させ,空腹期には基礎圧と律動的収縮で胆汁の胆嚢への流入を促進しつつ,一部の胆汁を周期的に排出させ腸肝循環を維持する.SO機能異常はSO dysfunction(SOD)や胆石の発生や再発に関係している.SODの診断には内視鏡下のSO manometry(SOM)が重要視されるが,より安全で診断能の高い検査法が切望される.胆管結石の治療では乳頭機能を温存する乳頭拡張術や腹腔鏡下胆管切石術が有望だが,普及には膵炎の克服や器具の改良などが課題である.Ruggero Oddiによる発見から130年が過ぎその生理機能の多くが解明されたが,SO自体がpumpなのかresistorなのかという根本的な疑問など一部未解決の問題もあり興味は尽きない.

著者関連情報
© 2023 日本胆道学会
前の記事 次の記事
feedback
Top