冷凍空調機器からの冷媒漏洩を低減することは,地球温暖化問題を解決するための必須課題の一つである.そのため,大型の冷凍空調機器の所有者に対し,漏洩の定期点検と,漏洩発見時の修理を義務付ける法律が多数の国で制定されつつある.点検方法には,目視やガスセンサ等を用いる直接法と,機器の運転データから漏洩を推定する間接法があるが,大型機器では直接法による点検は,時間と労力を要し負担が大きい.また漏れ速度が小さい場合は,センサ感度等の限界で漏洩発見が難しい.一方,常時監視の漏洩検知システムを導入すれば,点検免除や点検回数の半減などのインセンティブが設けられている国も多い.そこで著者らは,機械学習技術を用いて,間接法による高精度の常時冷媒漏洩検知システムの開発を進めている.本論文では,開発した漏洩検知手法をビル用マルチエアコンとチラーに適用して評価を行い,従来手法に比べ検知性能を大幅に向上できることを明らかにした.