リアルオプションと戦略
Online ISSN : 2189-6585
ISSN-L : 2189-6585
9 巻 , 4 号
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巻頭言
公開研究会 講演要旨
  • 松本 博
    2018 年 9 巻 4 号 p. 2-8
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/15
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    当社は1996年の創業以来、業態変化を繰り返しながら成長してきました。現在はスマートフォン向けに動画・音楽・書籍等のコンテンツを配信するサービスを主力事業としていますが、今後はヘルスケアサービス事業を主力事業として拡大させるために、当社の独自の強みを活かしながら様々な取り組みを展開しています。 ヘルスケアサービス事業は、成長性が高いものと期待される上、「赤ちゃん」から「お年寄り」までの健康管理をサポートすることから、当社のビジョンである「お客さまの“一生のとも”となるサービスを提供する」ということと整合性が取れています。 当社がこれまでどのように業態変化を行ってきたかのご説明を行うとともに、ヘルスケアサービス事業において、どのような考えや方針に基づいて取り組んでいるかをご説明致します。
  • 石川 泰彦
    2018 年 9 巻 4 号 p. 9-14
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/15
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    1965年に日本初の医療事務教育機関として創業したソラスト(旧社名:日本医療事務センター)は、2万4千人の社員を擁し、全国の医療機関から医療事務を受託する「医療関連受託サービス」をはじめ、東名阪地域で訪問介護や通所介護など在宅系を軸とした「介護サービス」、東京都認証保育を中心とした「保育サービス」を展開しています。 ソラストが重要な経営テーマとして掲げている「サービス業のクオリティーと生産性改善」は日本経済が長年挑み続けている大きな課題でもありますが、ソラストは一つの答えにたどり着こうとしています。サービス業のビジネスモデルはどうあるべきか。売上高に占める人件費の割合が「82%」。人に関する施策を徹底的に強化しているソラストの取り組みをご説明します。
  • 大関 靖
    2018 年 9 巻 4 号 p. 15-20
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/15
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    1964年、業務用音響機器販売からスタートし、現在は音響機器販売・施工事業とコンサート音響事業、大型LEDディスプレイの開発・製造・販売事業とコンサート・イベント映像事業を行っており、音響と映像の分野で販売とサービスの事業を展開しています。   とりわけ、コンサート業界において、ヒビノはパイオニア的な存在であり、音響・映像の機材量と運用技術の総合力は世界トップクラスを誇っています。コンサートという失敗の許されない業界で培った実績と信用力を基盤に、大規模な集客を必要とする場において、ヒビノは欠かせない存在になりました。  当社の歴史、事業の成り立ち、ビジネスモデルについて説明申し上げます。
  • 高畠 毅
    2018 年 9 巻 4 号 p. 21-25
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/15
    研究報告書・技術報告書 フリー
    当社は1969年に土木工事会社として設立されました。 創業者津久井督六の母親が認知症になったことをきっかけに、1983年に福祉事業部を設け、訪問入浴サービスを開始して介護サービスに参入し、現在では、全国47都道府県650を超える事業所でサービスを提供しています。 2015年11月には、「ツクイビジョン2025」と2018年3月期を最終年度とする「第一次中期経営計画」を公表し、デイサービスを中心とした地域包括ケアを推進しています。 今回は、土木事業から介護事業への転換、訪問系サービスからデイサービスへの転換、今後の戦略についてご説明いたします。
  • 古俣 大介
    2018 年 9 巻 4 号 p. 26-32
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/15
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    「才能を持つ埋もれたアマチュアフォトグラファー」を支援したいという想いから、2005年8月に創業。誰もが参加できるフラットな投稿スタイルで、高品質・低価格な写真・イラスト・動画のストック素材をインターネット上で売買できるデジタル素材のマーケットプレイス「PIXTA」(ピクスタ)を開設しました。PIXTAは現在日本最大級のサイトとなり、アジア数か国にも展開、2015年に東証マザーズに上場しました。  また2016年には出張撮影マッチングサービス「fotowa」(フォトワ)を開始。従来の写真館サービスにあった、不透明な料金設定、画一的な写真、データ納品不可というユーザーの不満をWebプラットフォームで解消し、好きな場所・日時に好きなフォトグラファーを呼べる仕組みを構築しました。
論説
  • 北村 博
    2018 年 9 巻 4 号 p. 33-48
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/15
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    企業における職務発明規定による発明者に対する金銭的な処遇について、平成16年改正特許法においては、使用者と従業者の協議状況や、対価の額の決定要因などが規定された。さらに、平成27年改正特許法においては、従業者は相当の金銭その他の経済上の利益を受ける権利を有することが規定された。 平成27年改正において、使用者等が従業者等に対してあらかじめ職務発明規程等により職務発明について特許を受ける権利を使用者等に帰属させる意思表示をしなければ、その特許を受ける権利は、従業者等に帰属する。なお、職務発明規定等がない場合、特許を受ける権利は、発生したとき(発明が生まれたとき)から従業者等に帰属することになる。このように規定されていることの趣旨は、大学や中小企業の一部などの中に、現行法における職務発明について特許を受ける権利を従業者等に帰属させることを希望する法人があることに対応するためである。 平成27年改正特許法において、契約、勤務規則その他の定めにおいてあらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めたときは、その特許を受ける権利は、その発生した時から使用者等に帰属するものとするとされている。また、平成27年改正特許法において、特許を受ける権利を使用者等に取得させたときは、従業者等は相当の金銭その他の経済上の利益の内容を受ける権利を有するものとするとされている。また、平成27年の特許法改正において、相当の金銭その他の経済上の利益の内容を決定するための手続に関する指針(ガイドライン)を定めるとされている。しかしながら、前記ガイドラインには経済上の利益の具体的な内容やその計算方法は記載されていない。 そこで、特許法における職務発明に関する規定の改正の経緯をまとめた。次に、企業内発明者の金銭的処遇として、出願時の支給金、登録時の支給金および実績時の支給金の検討を行った。さらに、裁判例における職務発明の相当対価の額の計算方法について分析した。 特許出願時の支給金については、特許出願ポイントを用いて計算する方法を提案した。特許出願ポイントは、基礎点と技術点で構成される。例えば、ある技術分野の出願に関しての基礎点は、国内特許出願、国内実用新案登録出願、国内意匠登録出願、米国への外国特許出願についてそれぞれ定めることができる。また、特許出願の技術点は、生産数×単価の予測の計算値、自己実施評価価値について定めることができる。特許を出願したことにより支給する出願支給金は、上記のように計算した特許出願ポイントに基づいて決定することができる。 さらに、出願支給金について、オプション価値を考慮する計算方法を提案した。特許の価値に関してオプション価値を考慮する計算方法は、特許の出願時に特許の価値を判断するとき、将来の不確実性を評価する1つの手段として適用することができると考える。ここで、割引キャッシュフロー法(DCF法)を用いて計算した現在価値とオプション価値を加算してはいない。両者をそれぞれランク分けし、それぞれのランクにポイントを付け、そのポイントを加算して特許の価値を評価している。その理由は、割引キャッシュフロー法(DCF法)を用いて計算した現在価値と、不確実性を評価するオプション価値とは、評価する価値の性質が異なると考えられるためである。 特許の登録時の支給金については、自己実施評価価値の得点と、他人実施評価価値の得点とを加算して求めることができる。 特許の実績支給金については、売上ポイント、利益ポイントを考慮して計算する方法を提案した。特許が登録になった後の一定の時点において、売上ポイントは、製品売上高、仮想実施料、発明者の貢献度、および各事業分野についての実施基礎数値を用いて計算することができる。各事業分野について、実施基礎数値を予め設定しておくことができる。 さらに、ライセンスに関する実績支給金の計算方法を提案した。特許が登録になった後の一定の時点において、ライセンス収入に関する相当の利益に対応する実施支給金は、ライセンス収入ポイントを計算することにより決定することができる。ライセンス収入ポイントは、ライセンス収入ポイント各事業分野について、ライセンス収入、および各事業分野についてのライセンス基礎数値を用いて計算することができる。各事業分野について、ライセンス基礎数値を予め設定しておくことができる。 最後に、裁判例における職務発明の相当対価の額の計算方法について分析した。裁判所は、職務発明の相当対価の額は、独占の利益を認定し、次に、発明者の貢献度を認定し、独占の利益に発明者の貢献度を乗じて算定している。これに対して、裁判所は、割引キャッシュフロー法は、特許権又は特許を受ける権利等の知的財産権を売買する際の当該特許権若しくは特許を受ける権利等の知的財産権の評価の手法としては優れたものと評価しているが、職務発明の相当対価の額の計算には採用していない。また、裁判所は、モンテカルロ・シュミレーションによる価額評価についても職務発明の相当対価の額の計算方法として評価していない。  裁判所が示したように、割引キャッシュフロー法は知的財産権を売買するときなどのにおいて知的財産権から将来発生する価値の評価方法として適用することができると考えられる。また、モンテカルロ・シュミレーションやリアルオプションも知的財産権から将来発生する価値の不確実性の評価方法として適用することができると考えられる。  企業内発明者のインセンティブを向上させ維持し、企業の技術イノベーションを促進するために、発明者に対する金銭的な処遇の検討が重要な一因であると考えられる。
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