国際エクササイズサイエンス学会誌
Online ISSN : 2436-679X
Print ISSN : 2433-7722
3 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 篠原 博, 片山 碧, 橘 健, 内田 啓介, 朝居 白羽, 細見 亮太, 松尾 慎, 酒井 孝文, 小幡 太志
    2020 年3 巻3 号 p. 1-5
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/01/14
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] 足部内側縦アーチの柔軟性と連続ホッピングジャンプ(SLCH)を実施した際のジャンプ高やその変動係数(CV)がどの程度相関するのかを確認することで足部内側縦アーチがジャンプパフォーマンスに及ぼす影響を検証した.[結果] 跳躍高のCVとアーチ高率差にr = -0.64と有意な負の相関関係を認めた(p = 0.013).[結語] 本研究の結果から荷重による足部内側縦アーチ上下運動が足底腱膜の弾性エネルギーである「バネ」としての働きを果たし,その結果跳躍高の変動係数に影響したと考える.本研究結果から足部内側縦アーチが跳躍の安定性に寄与する可能性が示唆された.
  • 齋藤 孝義, 天野 百香, 慶林坊 茜, 角田 美穂, 右田 正澄
    2020 年3 巻3 号 p. 6-10
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/01/14
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] 考案した等尺膝伸展筋力測定方法における検者間信頼性を検討すること. [対象と方法] 対象者は理学療法士養成校に在籍している健常成人女性の4年生15名とした.[方法]男女間の検者間信頼性の測定は1名の対象者に対してそれぞれ2回測定を行った.その後,考案した測定方法の測定値(男性検者,女性検者)と固定ベルト不使用で徒手固定のみの測定方法との測定値の3群比較を行った.[結果] 検者間信頼性ICC(2.1)は0.856であり,考案した測定方法(男性検者,女性検者)の測定値における有意差は認められず,固定ベルト不使用で徒手固定のみの測定方法と有意差が認められた.[結語] 考案した等尺膝伸展筋力測定方法の検者間信頼性は良好であり.力の弱い女性に対して有用な測定方法である可能性がある.
  • 久保田 智洋, 金子 哲也, 黒川 喬介, 昇 寛
    2020 年3 巻3 号 p. 11-18
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/01/24
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] 本研究の目的は,地域在住高齢者の作業遂行能力と健康関連QOL との関係を明らかにすることである.[対象と方法] 対象者は,一次予防事業に参加した101名(男性12名,女性89名)とした.調査項目は,年齢,性別,OSA‐SF,MoCA‐J,SF‐8(身体領域/精神領域)とした. [結果] 身体的健康関連QOLには,“自分の能力をうまく発揮する”,精神的健康関連QOLには,“目標に向かってはげむ”ことが関係していた.[結語] 介護予防には,自身の能力を発揮する機会や目標に向かってはげむような支援が重要である.
  • 澤田 有希
    2020 年3 巻3 号 p. 19-24
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/01/24
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] 我が国では高齢社会への対応として,介護予防が推し進められ,日本作業療法士協会でも,介護予防において作業療法士が協力できる技術内容を明示している.そこで,本研究は,作業療法士が行う,作業療法の考えを取り入れた介護予防研究について明らかにすることを目的とした. [対象と方法] 医中誌webを用い,2020年9月までの過去10年間で『介護予防』をキーワードに,『作業療法』に掲載された原著論文15文献を対象とし,一次予防・二次予防・三次予防のどれを対象にしているか,研究目的・内容等を読み取った.[結果] 一次予防に関する研究が多くを占め,介護予防に資する指標を特定する研究と,介護予防教室で実施するプログラムの効果研究に大きく分けられた. [考察] 現状の研究は,作業療法の視点を踏まえたプログラムやその効果研究の前段階として,介護予防に資する指標を特定する段階であると考えられる.
  • 髙橋 将, 米津 貴久, 佐藤 真太郎, 川本 竜史
    2020 年3 巻3 号 p. 25-30
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/01/24
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] 本研究の目的は,groin pain既往歴者のうち長内転筋に痛みを再発した大学生サッカー選手を対象に,筋硬度の観点から長内転筋の特徴を明らかにすることとした. [対象と方法] 競技歴10年以上の男子大学サッカー選手のうち,groin pain既往歴者7名,健常者としてgroin painの発症経験のない9名を対象とした. [方法] 超音波RTE(Real-time Tissue Elastography)機能を搭載した超音波撮像装置(EUB-7500, 日立メディコ社製)を用いて,長内転筋の筋硬度を測定した. [結果] groin pain既往歴群の長内転筋の筋硬度は,蹴り脚および支持脚ともに健常群と比較して有意に硬くなっていた. [結語] 長内転筋の筋硬度が高い者はgroin painの再発リスクが高い可能性が示唆された.
  • —活動電位による観察—
    嶋田 裕司, 平賀 篤, 冨田 圭佑, 昇 寛
    2020 年3 巻3 号 p. 31-35
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/01/24
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] 本研究の目的は,足関節底屈筋虚弱者用のつま先立ち促通練習器の運動効果を筋電図学的見地より検証することである. [測定方法] 短趾屈筋,腓腹筋内側頭,前脛骨筋,内側広筋,半腱様筋の5筋について筋活動量を計測し,つま先立ち促通練習器を用いたHeel raise動作時の活動電位をバネの有無で比較検討した. [結果] 活動電位の比較において,つま先立ち促通練習器のバネの有無によって各筋の筋活動に差が生じた. [結語] つま先立ち促通練習器のバネありを使用した場合には,内側広筋も筋活動させることから,足関節底屈筋虚弱者に限らない運用の可能性が示された.
  • 金子 哲也, 久保田 智洋, 昇 寛
    2020 年3 巻3 号 p. 36-41
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/01/24
    ジャーナル オープンアクセス
    [目的] 本研究の目的は,軽度運動麻痺を呈した脳卒中患者に対して,急性期からリハビリテーション室での自主練習を導入することで得られる効果を検討することである. [対象] 左橋下部梗塞を発症した60歳代の男性. [方法] リハビリテーション室での自主練習を1日1時間,週6日の頻度で計26日間実施した.内容は,ペグや洗濯バサミを用いた手指機能向上練習や箸操作練習などで,評価結果を元に適時内容は変更した.また,週1回の評価結果は可視化し,OTRが対象者にフィードバックを実施した.評価項目としては,FMA,STEF,MALとした. [結果] 上肢機能の改善に加え,AOUは4.6点と発症前の約9割まで使用頻度が向上し,右上肢が動作の主体となった. [結語] 「練習量の担保」や「モニタリングの促進」を図る為には,急性期から自主練習の導入が重要である.
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