ニュースとして取り上げられる内容は各メディアが独自に厳選し、読者が読みたくなるようなインパクトを盛り込みながら伝えられる傾向がある。通常メディアの主張にはエディターや出版社のイデオロギーが吹き込まれ、その際ニュースで使われる表現は読者がニュースの対象に対してある特定のイメージを持つことに大きく影響している(Van Dijk, 2008)。本稿では 2014 年の英国週刊新聞 The Guardian Weekly に取り上げられた日本のニュースを分析し、英国新聞社にとってニュースの価値があるとされる日本のニュースはどのようなものなのかを考察する。ヘッドラインを含めた報道の仕方を見ることで、本紙がどのような視点で日本を見ているのかについて考えていく。本研究の結果において、英国週刊新聞 The Guardian Weekly のエディターが選んだ日本のニュースは、政治経済関連、近隣諸国との関係を伝えるもの、東日本大震災のその後と原子力発電所、捕鯨とイルカ漁、そして日本の文化についてであった。これらは時には否定的な表現で皮肉を用いて伝えられ、エディター達の厳しい見解が窺えた。
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