メディア・英語・コミュニケーション
Online ISSN : 2436-8016
Print ISSN : 2186-1420
1 巻, 1 号
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目次
巻頭言
招聘論文
  • Kip A Cates
    2011 年1 巻1 号 p. 5-18
    発行日: 2011/08/20
    公開日: 2022/11/02
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    Thefollowingisbasedon thekeynotespeechgivenbyProfessor JohnMaheratthe52ndAnnualConferenceoftheJapan Association for Current English Studies, held at Tokai University(Takanawa Campus), Tokyo, Japan,onOctober3,2010. Thank you Ms. Miyahara for that soothing introduction. Good afternoon, colleagues, ladies and gentlemen. Thank you for inviting me here today. In particular, I extend my thanks to Professor Nishigami and to the technical staff who assisted me with the equipment.

  • C.Maher John
    2011 年1 巻1 号 p. 19-26
    発行日: 2011/08/20
    公開日: 2022/11/02
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  • 酒井 志延
    原稿種別: 招待論文
    専門分野: 英語教育
    2011 年1 巻1 号 p. 27-40
    発行日: 2011/08/20
    公開日: 2022/11/02
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    CLTを普及させるための提案が本稿の目的である。まず、英語教育の問題は、英語が使える日本人が育成できていないこと、および同学齢の多くが英語で落ちこぼれていることに集約される。この課題が生じた原因は訳読式授業にあり、この方式が日本中に普及した理由は、教科書検定制度と学校⽂法、そして類似した⼊試問題により生み出された訳読式のインストラクショナル・デザインが、異なる教師間に共有されてきたことにある。逆にCLT が普及しなかった理由は、インストラクショナル・デザインが提示されなかったためであり、今後、CLT を普及させるために、CEFR の日本への⽂脈化を図ることが重要である。日本に⽂脈化するCEFR の理念として重要なのは⾏動志向の言語教育観と生涯学習の動機づけであり、具体的なインストラクショナル・デザインとしては、振り返りのためのポートフォリオの使用を提案する。また、パフォーマンス指導する際に、学習者を萎縮させないことが重要である。

研究論文
  • 小野田 榮
    2011 年1 巻1 号 p. 41-56
    発行日: 2011/08/20
    公開日: 2022/11/02
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    この論⽂は、英語専攻学生対象のメディア英語コースにおいて、アカデミックな英語⼒の 習得を目指して、学習者の言語スキル面と情意面を考慮した授業展開について述べた実践報告である。まず基本的な授業展開として、言語スキル面を効果的に向上させるために、ネイション (2006) の主張する4 つの活動(意味に重点を置いたインプット活動、言語そのものの学習に重点を置いた活動、意味に重点を置いたアウトプット活動、流暢さを向上させる活動)を中心に授業を構成した。それに加え、情意面を支えるために、セルフ・エフィカシーと積極的にコミュニケーションを取ろうとする態度を育てるタスクを導⼊した。バンドュラ(1986)の理論や実証的研究によれば、セルフ・エフィカシーは学習結果に直接影響を及ぼす要因の1 つとのことである。 さらに積極的にコミュニケーションを取ろうとする態度に関する⼋島の研究(2000, 2002)によれば、英語⼒が⾃信を⾼め、その⾃信が英語を⽤いて積極的にコミュニケーションを取ろうとする態度の向上につながるとのことである。最後に、英語⼒の向上と、この授業を受けた学生の感想を⽤いてこの授業展開の価値について考察した。

  • 〜英文ライティング活動に向けて〜
    後藤 隆昭
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: コーパス分析
    2011 年1 巻1 号 p. 57-71
    発行日: 2011/08/20
    公開日: 2022/11/02
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    この研究の目的は、英⽂ライティング活動のために、モデルとなる英⽂記事の特徴語を コーパスに基づく分析により抽出し、その語彙的特徴を明らかにすること、およびその結果から教育的な示唆を得ることである。本稿では、身近な地域をテーマとする英⽂ライティング活動を設定し英⽂記事を選び、コーパスに基づく特徴語分析を⾏った。結果として、特徴語分析は、参照コーパスと比較して対象テクストの特徴語を抽出できるため、テクストの全般的な概要を把握することが可能であることが示された。ただし、それだけでは表⾯的な情報しか得られず不⼗分であることから、テクストを構造的に分割した上で、更なる特徴語分析を⾏うことで、テクスト構造に応じた特徴的語彙を抽出することが可能となり、英⽂ライティング活動にも応用可能であることが示唆された

  • イギリスの日刊紙The Times の日本関連報道から
    花井 晶子
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: メディア英語分析
    2011 年1 巻1 号 p. 73-85
    発行日: 2011/08/20
    公開日: 2022/11/02
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    2001 年、イギリスで『ブリジット・ジョーンズの日記』という映画が大ヒットした。そこでは日本⼈を「残酷な⺠族」と呼ぶ。一体イギリスでは、それが日本⼈を語る1 つのイメージとなっているのだろうか。実際に日刊紙The Times を2005 年から1975 年まで10 年ごとに遡ってみると、1975 年には日本赤軍派のテロ⾏為を報じる記事の中で、その「冷酷さ」が指摘された。1985 年以降は第⼆次世界大戦中の日本兵の「残虐さ」が繰り返し⾔及されている。1995 年には日本の刑務所での「野蛮な暴⼒」が非難され、2005 年では一⾒平和な日本社会の内⾯に、「残酷」が隠されているかのように描かれた。その理由の1 つとして、第⼆次世界大戦中両国は敵として相まみえ、大英帝国の兵⼠が大日本帝国軍の捕虜になったという経緯が今も尾を引いていると思われる。さらに、戦後戦勝国イギリスの⼒が次第に衰退していく中で、敗戦国であった日本が経済大国として台頭し、かつては世界の経済地図の中でイギリスが占めていた地位を塗り替えていったという事情がある。終戦から65 年経っても〈残酷な日本⼈〉イメージが続くのは、このような政治的・⽂化的・経済的要因が複合的に交錯している背景があると考えられる。

  • 異文化理解の観点から
    大川 光基
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 英語教育
    2011 年1 巻1 号 p. 87-103
    発行日: 2011/08/20
    公開日: 2022/11/02
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    異⽂化理解教育は中学校、⾼校、大学を通じて⾏われ、英語教育において重要な活動の1つである。まずは一般的な異⽂化理解教育の先⾏研究を踏まえてその意義を検討する。そして、本研究における異⽂化理解教育を定義し、現⾏の中学校の英語検定教科書を調査し、その中の⽂化題材の数、その⽂化題材が扱っている国とその題材の目的をカテゴリーに分け、数量的に調査する。さらにその結果をもとに、量的分析では考察できない⽇本⽂化に関する⽂化題材のテーマをいくつかとりあげて、その題材を異⽂化理解、学習者からの配慮、時事的側⾯などの観点から考察する。⽇本⽂化に関する題材として、沖縄、アイヌ⽂化、アニメ、漫画、桜などを取り上げる。沖縄、アイヌ⽂化の題材には異⽂化理解のための重要な要素が含まれていることを本論では明らかする。アニメや漫画に関する題材では、学習者への配慮と最近の情勢を表す時事的な要素がうまく盛り込まれていることを指摘する。また、⽇本⽂化を発信するための題材をもっと取り入れ、その題材を通じて外国人に⽇本⽂化を説明する活動の必要性を指摘する。

実践報告
  • 木村 友保
    原稿種別: 実践報告
    専門分野: 英語教育
    2011 年1 巻1 号 p. 105-118
    発行日: 2011/08/20
    公開日: 2022/11/02
    ジャーナル オープンアクセス

    NHKの英語ニュースのヘッドラインを書きとり始めて9年以上になる。その過程で、報告者が担当するほとんどすべての英語の授業で、それを副教材として、その聞き取り、もしくは書き取りを課してきた。期末に実施される授業評価では、授業の良い点でいつも「英語ニュース」が指摘された。そこで、報告者が担当する高校の10 年目教員を対象とした研修でも、同じような副教材を使ってみた。この研修での主活動は英語のスピーチを発表することであるが、スピーチ原稿を作成する過程で、NHK の英語ニュースを利⽤し、スピーチのテーマ探しをさせた。いったんテーマを⾒つけたら、そのテーマで100 語程度の英語のミニエッセイを書く。スピーチ発表当⽇まで、研修の受講生と講師である報告者との間でメール交換をしながら、スピーチ原稿を完成していった。スピーチ原稿完成のプロセスも、ライティングの専門家に評価してもらった。以上の経験を基に、副教材としてのNHK 英語ニュースの有効性を、インプットとしての価値、教員の⾃己研修にとっての有効性、教員の英語研修に対する内的動機を与える誘発性という観点から考えてみた。

研究ノート
  • 山本 成代
    原稿種別: 研究ノート
    専門分野: 英語教育
    2011 年1 巻1 号 p. 119-135
    発行日: 2011/08/20
    公開日: 2022/11/02
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    本研究は、Wajnryb (1990) の提唱したディクトグロスという学習活動を大学における英語授業に取り入れ、その有効性をいくつかの側面から検証したものである。ディクトグロスとは、学習者に⽂章を読み聞かせ、学習者がメモをとり、そのメモをもとにペアやグループで元の⽂章を復元していく活動である。ディクトグロスを⾏う過程で、学習者は意味を考えながら言語形式にも注意を払うことになり、フォーカス・オン・フォーム指導が可能になる。またグループで復元作業を⾏うことにより、協同学習 (cooperative learning) の利点を得ることができ、言語形式について話し合う協同対話 (collaborative dialogue) も⽣まれ、これらを通じて学習者のメタ言語能⼒が発達することも期待できる。本論⽂で取り上げた実践を通じて、fluency をある程度身につけた上級クラスの学⽣たちにはディクトグロスは効果的な学習法となり得ることが確認された。また、初級レベルクラスにおいても、指導法を工夫することで⼀定の効果が期待できるものと思われる。

  • ⾃⼰調整学習の視点から
    吉田 国子
    原稿種別: 研究ノート
    専門分野: 英語教育
    2011 年1 巻1 号 p. 137-149
    発行日: 2011/08/20
    公開日: 2022/11/02
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では、自己調整学習の社会認知モデルを理論的背景として、大学の英語教育において主体的な英語読者を育てるための授業試案を提⽰する。大学の英語教育では最終目標に自ら読む⼒を備えた読者の養成を掲げ、メディア英語を教材として利⽤することが多い。学⽣が「自ら学ぶ⼒」を発揮して、主体的な学びを積み上げてもらうことが大いに期待されている。「自ら学ぶ⼒」について研究が進んでいる欧⽶で中⼼になっているのが、Self-regulated Learning (自己調整学習) という概念である。自己調整学習は、「学習者がメタ認知の⾯で、動機づけの⾯で、⾏動の⾯で、自らの学習プロセスに積極的に関与している学習」と定義される。本稿では自己調整学習の理論を概観し、その知⾒を「自ら読む⼒を育む」ためのメディア英語教育の中でどのように⽣かせるか考察する。

  • メタ⾔語能⼒、異⽂化コミュニケーション能⼒の養成をめざして
    豊倉 省子
    原稿種別: 研究ノート
    専門分野: 翻訳教育
    2011 年1 巻1 号 p. 151-171
    発行日: 2011/08/20
    公開日: 2022/11/02
    ジャーナル オープンアクセス

    「英語ディバイド」という⾔葉にも象徴されるように、このグローバリゼーション著しい時代において社会⼈として新たな⼈生をスタートさせようとする⽇本⼈学生にとって、英語⼒の⽋如は⼤きなデメリットをもたらしかねない。このような状況下で、多くの⼤学は学生の英語⼒向上を目的にさまざまな取り組みをおこなっている。そのひとつが⾔語教育の⼀環としての翻訳教育(TILT)の実施である。ただし、その意義と効⽤についてはまだ十分に議論が尽くされたとはいえない。本稿では、⾔語教育のみならず、異⽂化コミュニケーション教育も広く射程におさめ、まず第2 節で異⽂化コミュニケーションと翻訳の関わりについて述べた上で、第3 節で翻訳教育によって養成できる能⼒を特定する。続く第4 節では実際に翻訳を⾔語教育に取りいれるにあたって有効だと思われる藤濤(2007)の提案する翻訳の分析⽅法についてまとめ、第5 節でその分析⽅法にもとづいて、拙訳『ピーチズ☆初恋』(2009 小学館)の作品を分析する。そして第6 節でスコポス理論の限界と課題について⾔及し、第7節で今後の研究の展望を述べてまとめとする。

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