理論応用力学講演会 講演論文集
第62回理論応用力学講演会
選択された号の論文の269件中1~50を表示しています
特別講演
特別講演1
  • ~ 複雑な気泡挙動の解明を目指して ~
    高木 周
    セッションID: P-01
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    Tiny bubbles show very complicate interesting behaviors in the liquid. They are effectively utilized toenhance the mass transfer in the water purification systems, chemical reactors etc. In these systems, smallamounts of surfactant can drastically change bubble behaviors. For example, bubbles in aqueous surfactantsolution are not easy to have coalescence and each bubble rises much slower than one in purified water. Theseeffects to individual bubbles cause a drastic change of entire bubbly flow structures and influence theperformance of devises. In this talk, related to these interesting multiscale structures, bubble clusteringphenomena in upward bubbly channel flows are discussed. In addition, tiny bubbles have been already usedas a contrast agent for ultrasound diagnosis. These bubbles are also expected to be used for the ultrasoundtherapy to enhance the ablation of tumor or to be used as drag delivery agent. Our recent studies related tothese medical applications are also introduced in the present talk.
特別講演2
オーガナイズドセッション・一般セッション
OS10 破壊のモデル化と離散化解析手法
  • 竹内 則雄
    セッションID: OS10-01
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    不連続性体解析手法として,様々な離散要素モデルが提案されている.本報告では,はじめにこれらの解析手法を概括する.続いて,個別要素法(DEM),不連続変形法(DDA),剛体バネモデル(RBSM),ハイブリッド型ペナルティ法(HPM)といった離散体に対する解析手法に着目し,これらの手法,ハイブリッド型仮想仕事の原理を用いて体系化する.
  • 佐々木 猛, 萩原 育夫, 大西 有三, 小山 倫史
    セッションID: OS10-02
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    三次元不連続変形法(3D-DDA)による岩盤斜面崩落解析では,崩落岩盤と地山斜面の体積比が極端に大きくなる場合,連立方程式の求解時に条件数の増大による桁落ちにより数値不安定性を招くことがある.本研究では特に,崩落岩盤と地山斜面の接触機構で発生する桁落ちを分析し,その対策を検討し実際の大規模崩落モデルへ適用した結果を報告する.
  • 石関 浩輔, 坂 敏秀, 閑田 徹志, 丸山 一平
    セッションID: OS10-03
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    剛体バネモデル(RBMS)を用いてフレーム付きRC壁部材の乾燥収縮ひび割れ解析を行った。コンクリートの乾燥収縮ひび割れを解析するため,従来のRBSMに乾燥収縮およびクリープの時間依存性を導入した手法を提案した。鉄筋は分布鉄筋とし,コンクリートとは完全付着として導入した。コンクリートの圧縮強度,引張強度,ヤング係数は,時間依存性を持つものとして導入した。解析結果は,実験のひび割れ発生位置,発生材齢,ひび割れ幅をおおむね再現し,本解析手法のひび割れ幅と位置の予測手法としての妥当性を確認した。モデルの要素寸法依存性の検討では,ひび割れ前の発生応力には依存性が確認されず,ひび割れ分布には依存性が確認された。本研究では鉄筋を完全付着としてモデル化しており,RBSMのバネの破壊が付着損失に相当する。従って要素寸法が小さくなると,バネの長さが付着損失区間長より短くなり,付着損失を十分に考慮できないため,ひび割れ分布に要素寸法依存性が生じたと考えられる。
  • 山本 佳士, 黒田 一郎, 古屋 信明, 中村 光
    セッションID: OS10-04
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    維持管理,長寿命化という観点から,様々な作用を受けるコンクリート構造物のひび割れに関する詳細な情報を予測することのニーズが高まってきている.本研究は,Voronoi分割を用いたランダムな要素形状を有するRBSMを用いて,繰返しせん断応力を受けるRCパネルの解析を行い,同手法の,特に地震作用下におけるコンクリート構造物のひび割れ進展挙動の再現性を検証したものである。
  • 藤原 良博, 竹内 則雄, 塩見 忠彦, 上林 厚志
    セッションID: OS10-05
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    HPM (Hybrid-type Penalty Method) は連続体から不連続体に移行するコンクリートのような破壊現象を表現するのに適している.このような破壊現象を表現するにはひび割れの進展や分岐の計算が必要であるが、HPMでは要素の境界が離れる離散ひび割れを要素間のペナルティを消滅することで表現出来る.HPMでは,自由度を変更する必要がないためにアルゴリズムが簡明で、かつ破壊現象を予測するのに必要である破壊前の連続体の変形も精度良く計算することが出来る.このような特徴を生かし,筆者はコンクリートの破壊現象を表すための構成則をHPMに実装し,コンクリートの進行性破壊を精度良く解析出来るようにした.本報では,実装したコンクリートの構成則を説明し,これによるアンカーボルトの引き抜き試験のシミュレーション解析を示し、進行性破壊の計算が可能になったことを示す.
  • 鞠 誠, 中村 光, 山本 佳士, 国枝 稔, 上田 尚史
    セッションID: OS10-06
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    RCデイープビームのせん断破壊メカニズムの評価を行うために、数値解析的な検討を行った。解析は、RC構造の破壊挙動を打倒に評価できる3D-RBSMを用いた。解析より得られた応力分布を詳細に検討した結果、せん断耐力評価法の一つの考え方であるトラスアナロジーが解析的に表現されていることを確認した。3D-RBSMを用いた解析は、せん断破壊メカニズムの解明に大きく寄与できると考えられる。
  • 青葉 勇樹, 寺田 賢二郎, 京谷 孝史, 加藤 準治, 樫山 和男, 車谷 麻緒
    セッションID: OS10-07
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    準脆性材料における破壊の数値解析手法のひとつに,損傷を特徴づける微視欠陥の密度および分布を表すための内部変数を導入した連続体損傷モデルがある.本研究では,この連続体損傷モデルを有限変形を考慮できる弾性モデルに適応させることにより,数値解析によって,ひび割れの進展にともなう非均質性を有する準脆性材料の軟化挙動と,破壊に至る損傷プロセスを数値シミュレーションにより再現する.まず,簡単な数値解析の結果を通して本研究で提案する構成モデルの性能の検証を行い,つぎに,より実際的な非均質性を有する準脆性材料のモデルの数値解析と実験結果との比較を通して本モデルの実用性を示す.
  • 八木 唯夫, 竹内 則雄
    セッションID: OS10-08
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    最近では,個別要素法(DEM)と有限要素法を組み合わせた混合要素を用いる方法が注目されており,陽解法の需要が増加している.これらの方法は,中心差分に代表される時間積分により,連立方程式を解かず解を逐次的に求める陽解法に基づいている.しかし,著者らが開発したハイブリッド型ペナルティ法(HPM)は,不連続Galerkin法におけるIP有限要素法と同様,ペナルティ関数を用いているため,動的問題の時間積分法として,不連続変形法(DDA)と同様,陰解法が適している.しかし,混合法における破壊問題に対する解析と同様な展開を考えたとき,何らかの陽解法の開発が必要である.
    そこで,本論文ではそのような展開の準備として,剛体ばねモデル(RBSM)とDEMを混合要素的に取り扱った際の影響を、数値計算例をとおして検証する.
  • 北風 慎吾
    セッションID: OS10-09
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    マクロな連続体場を有限要素法に代表される従来の微分方程式ではなく、積分方程式によって離散化するPeridynamics理論を用いることで、不連続性をもった破壊現象を特殊な手法を用いずに解析することができる。この手法では各粒子間に設定される陰的なバネの相互作用によって力が伝達し、き裂の進展はこのバネがある閾値を超えることで順次破断していくことにより表現される。これまでの解析では脆性材料の破壊を簡易に表現したPrototype MicroElastic Brittleと呼ばれる材料モデルを用いた解析を実施してきたが、根本的な問題として定式化が粒子の二体間相互作用に起因しているため、ポアソン比の制約(3次元で0.25)があった。本解析では、より汎用的でポアソン比の制約がないLinear Peridynamic Solidと呼ばれる材料モデルを用いて実施したのでその結果を報告する。
  • 構造部材の粒子によるモデル化
    柴田 良一
    セッションID: OS10-10
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    様々な自然災害において、想定外の状況により構造物の大きな被害が報告されるが、社会的合理性を踏まえた設計においては、想定限界を持つ設計基準の設定が不可欠である。しかし重要性の著しく高い構造物においては、社会的な要請に鑑み、可能な限り構造物の終局的な破壊現象を踏まえて、崩壊状態の把握が求められている。 そこで本研究では、大地震における衝撃力の波動伝播や大津波における漂流物の衝突破壊などを想定して、建築構造物の崩壊性状を微視的に分析するための破壊解析の実現を目的とする。ここでは、新しい破壊理論であるPeridynamicsに基づいた粒子モデルにより、建築構造部材をモデル化することで、分子力学的計算手法による破壊解析の有効性1)を、以下の観点から検証する。・Peridynamicsによる建築部材の破壊解析の可能性・コンクリート部材の引張破壊と圧縮破壊の挙動・コンクリート材料の引張強度と圧縮強度の評価
  • 森口 周二, 沢田 和秀
    セッションID: OS10-11
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    個別要素法(DEM)は、これまでに様々な分野で使用されており、固体衝突が扱えるという利点を活かして、近年では落石シミュレーションにも応用されている。DEMは、球要素を用いるものが多いが、その球要素を連結することにより、落石の複雑形状を扱えるという利点を有している。しかしながら、このような解析の中では、解析結果は要素数(表面精度)に強く依存することが知られている。そのため、今後の実務レベルの利用に際して、モデル化誤差と表面精度の関係を明らかにしておくことが重要な課題である。本研究では、落石問題を想定した簡単な模型実験とその再現解析を実施した結果について報告する。また、得られた結果を統計処理することにより、落石シミュレーションにおける個別要素法のモデルエラーについて議論する。
  • 新井 夏海, 高尾 誠, 中瀬 仁, 加藤 準治, 寺田 賢二郎, 京谷 孝史
    セッションID: OS10-12
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    本研究は,確率論的変位ハザード手法に基づいた日本における断層評価式の信頼性を高めることを目的に,個別要素法を用いて主断層から離れたところに発生する副断層の断層変位に関する数値解析を行う.確率論的変位ハザード手法における課題の一つとして,副断層の断層変位の発生頻度が小さいため,現地調査で入手できるデータの数には限界があることが挙げられる.そこで,個別要素法を用いた数値解析により副断層の変位についてのデータを補間するものである.個別要素法は多数の独立した粒子の集合体を運動方程式でつないでいるため,大変形・大歪解析に適している反面,パラメータと実際の値に整合性が少ないという欠点がある.それを補うため,三軸圧縮試験を用いてパラメータと実際の値の比較・考察を行う.
  • 古宇田 剛史, SUN Fangtao, 田中 聖三, 堀 宗朗
    セッションID: OS10-13
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    本論文は,脆性破壊を伴う鉄筋コンクリート構造物の数値解析手法について報告する.コンクリート構造物で問題となる複雑に分岐する亀裂進展を解析するために,著者らの研究グループで開発している粒子離散化有限要素法(PDS-FEM)を用いる.PDS-FEMでは,有限要素内のボロノイ多角形に基づく不連続かつ互いに重なり合わない形状関数により変位場が離散化されることで,破壊により発生する不連続面を比較的簡便に取り扱うことができる.  PDS-FEMコードの妥当性を検討するための数値解析例として,引張せん断実験を取り上げた.この実験は,鋼コンクリート混合構造物における,複数の平鋼シアコネクタの軸力の伝達能力特性を検討するために行われたものであり,本数値解析では境界条件等を変化させてその影響を調べ,実験値と比較することで本手法の妥当性を確認した.
  • 佐藤 義浩, 青葉 勇樹, 加藤 準治, 寺田 賢二郎, 京谷 孝史, 車谷 麻緒, 樫山 和男, 高瀬 慎介
    セッションID: OS10-14
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    本研究では,津波のような流体力を想定した動的かつ面的な荷重の作用下におかれたコンクリート構造物の動的破壊挙動の評価を行う.具体的には,ボクセル有限要素法に動的陽解法の時間積分アルゴリズムを導入するとともに,損傷モデルを用いて,コンクリート構造物に圧力による衝撃荷重を与えたときの動的破壊挙動を再現する.そして,既往の研究によるコンクリート構造物の準静的な破壊挙動と比較して,遡上津波のような衝撃力によるコンクリート構造物の動的破壊挙動を特徴づける.また,き裂・破壊進行の様子を可視化することによりコンクリート構造物の動的破壊挙動を視覚的に再現し,ケーススタディにて動的破壊挙動の特性や妥当性の検証・考察を行う.
  • 田中 智行, 上田 秀哉, 岡澤 重信
    セッションID: OS10-15
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    X-FEM は,エンリッチ関数を導入することで FEM での解析モデル作成に関する手間を軽減させる解析手法である.き裂のような不連続性や激しい応力集中などを表現するには効率的な手法として知られる.X-FEMを用いた弾性き裂解析では,一般的にはき裂の応力特異性を表現する4つのエンリッチ関数を使用する.しかし,この方法ではき裂先端の各節点に多数の自由度が付加されるため解析に時間を要する.そこで,用いる基底関数を1つにして,き裂先端の局所的変動を効率的に近似できるウェーブレット関数を組み合わせることで高精度化を図る.この方法を用いれば弾塑性破壊力学問題に拡張した場合でもき裂先端の変位場を効率的に表現できる可能性がある.本発表では,これらの検討項目に関する問題点の検証,数値解析を実施し,本手法の妥当性について報告する.
  • 車谷 麻緒, 寺田 賢二郎, 京谷 孝史, 加藤 準治, 樫山 和男
    セッションID: OS10-16
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
    会議録・要旨集 フリー
    材料を粒子(離散要素)の集合と捉え,粒子間の結合・破壊を構造要素でモデル化した,簡便な破壊シミュレーション法を提案する.まず,粒子間の結合位置と結合面(破壊面)の角度を考慮して粒子間の相対変位の関係式を導出し,破壊シミュレーションに適した構造要素の定式化を示す.次に,剛性マトリックスの固有値解析により,粒子配置による基本変形モードと積分次数との関係について検討する.そして,1 軸引張問題を対象に,境界に位置する粒子の境界積分方法を説明した後,はりの曲げに対する解析精度と収束性について検証する.最後に,破壊のモデル化について述べた後,本解析手法に対する数値解析例として,複数のクラックが生じる問題を対象に,破壊シミュレーションへの適用例を示す.
OS21 弾塑性変形に関する構成式および数値解析
  • 彌永 大作, 瀧澤 英男, 桑原 利彦
    セッションID: OS21-01
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    温室効果ガス削減,低燃費化の観点より,自動車軽量化を目的として,高張力鋼板やアルミニウム合金板の自動車部品への適用が急速に進んでいる.これらの軽量化材料は,従来の軟鋼板と比較してプレス成形が困難な難加工材である.これら軽量化材料の適用を拡大するためには,成形シミュレーションを駆使した成形不具合現象の事前予測とそれに基づく最適工程設計の推進が必要不可欠である.
    本研究では,6000系アルミニウムを供試材として,二軸引張試験と二軸バルジ試験による塑性変形挙動の詳細測定を行い,塑性仕事の増加に伴う降伏曲面(等塑性仕事面)の形状変化(異方硬化挙動)を明らかにする.さらに,Yld2000-2d降伏関数を用いて異方硬化挙動を表現できるモデルを新たに構築し,液圧バルジ試験の成形シミュレーションを行い,実験値との比較により,異方硬化挙動のモデリングが板材成形シミュレーションの解析精度向上に及ぼす影響を明らかにする.
  • 柳原 久美, 吉田 秀典
    セッションID: OS21-02
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    現在,コンクリート構造物の延命化が急務とされている中,コンクリートの劣化の将来予測が重要視されている.コンクリートの劣化要因の一つにアルカリ骨材反応があり,これによって発生したひび割れは,コンクリート構造物の力学特性を変化させるとともに耐久性の低下を引き起こす.一般的なアルカリ骨材反応に関する研究は非常に多い一方で,プレストレストコンクリート構造物の劣化予測に関しては十分な知見が得られていないのが現状である.そこで,本研究ではプレストレストコンクリート構造物を対象とし,劣化モデルの構築とその妥当性について検討することを目的とする.
  • 現象論的モデルとメゾスケールモデル
    尾崎 伸吾
    セッションID: OS21-03
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    すべり摩擦は,工学上非常に重要な現象であり,これまでにもバルクスケールでの現象論的なモデリングからミクロスケールでの物理モデルまで幅広く研究されている.本研究では,将来的なすべり摩擦現象のマルチスケール解析を指向して,現象論的な速度依存性摩擦モデルとメゾスケールでの摩擦モデルを整理するとともに,応答特性の比較を行う.
  • 箱山 智之, 菅原 史法, 桑原 利彦
    セッションID: OS21-04
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    自動車軽量化を目的として,高比強度材料である高張力鋼板の自動車部品への適用が進んでいる.高張力鋼板は軟鋼板と比較して成形性に劣る.高張力鋼板の難加工性を克服し,さらなる適用拡大を図るためには,成形シミュレーションによる不具合減少の予測精度向上が不可欠である.材料変形挙動の予測精度向上に対して,二軸応力下における塑性変形挙動を考慮した材料モデルの適用が必要である. 本研究では,590MPa級高張力鋼板に曲げと溶接を加えた円管試験片を製作し,円管試験片に軸力と内圧を付与し,二軸応力を負荷する試験法(二軸バルジ試験法)を適用し,線形応力経路を負荷した.それによって降伏初期から母材の破断に至るまでの応力-ひずみ曲線の測定に成功した.また本供試材の等塑性仕事面および塑性ひずみ速度の方向の再現精度に優れる降伏関数を決定し,成形限界ひずみや成形限界応力の測定にも成功したので報告する.
  • 鈴木 規之, 上野 正実, 橋口 公一
    セッションID: OS21-05
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    金属材料を対象とした拡張下負荷面モデルを陰解法有限要素法解析ソフトABAQUSへ実装した。ここではリターンマッピング手法および整合接線係数の定式化と効果について検討する。
  • 紅露 一寛, 間島 朋也, 阿部 和久
    セッションID: OS21-06
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,バラスト道床の繰り返し変形挙動を拡張下負荷面モデルで表現する場合を対象に,解析モデルで用いる材料パラメータを同定し,入力する材料パラメータの変動が解析結果に及ぼす影響について検討する.パラメータ同定にはparticle swarm optimization(PSO)アルゴリズムを用いる.材料パラメータの変動の変動の影響は1次近似2次モーメント法(FOSM)で評価する.
  • 齊藤 正純, 桑原 利彦
    セッションID: OS21-07
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    自動車車体の軽量化を目的として,自動車ボディパネルへの高張力鋼板の適用が拡大している.しかし,高張力鋼板は軟鋼板と比較して延性に劣るため,成形シミュレーションを援用した破断予測手法の確立が渇望されている. プレス加工において,板材は複雑なひずみ履歴を受けるが,成形限界応力はひずみ経路に依存しないとの報告がある.実際に,材料が等方硬化則に従う場合には,成形限界応力はひずみ経路に依存しないことが実験的にも明らかにされている. そこで本研究では,初期板厚1.2mmの590MPa級二相組織高張力鋼板(DP590Y)を供試材として,二軸バルジ試験を実施し,線形応力下の平面ひずみ引張における成形限界応力を測定した.また,引張曲げ曲げ戻し試験を行い,曲げ曲げ戻し変形を受けた板材の成形限界応力も測定した.そして,線形応力下で測定された成形限界応力が曲げ曲げ戻し変形を受けた板材の破断予測限界として適用できるか検証した.
  • 福田 拓海, 金澤 伸一, 齋藤 邦夫
    セッションID: OS21-08
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    盛土構造物は,安定性や変形特性の向上を目的とした締固め土で構成されている。その盛土の強度発現に寄与する現象の一つに降雨・蒸発履歴が挙げられる。我が国日本では世界の平均に比べて年間降雨量が2倍程度であり、降雨による盛土内の応力変化が起こっていると考えられる。 現在,盛土の設計法では,降雨などの浸透解析結果を用いて円弧すべり解析を行うことになっているが,変形解析は行わず,浸透解析と安定解析を個々に行っている。しかしながら,浸透と変形は連成しており,現在の手法では盛土の評価としては十分だと言い難い。そこで本研究では,土/水/空気連成有限解析コード(DACSAR-MP)を用いて盛土供用開始後に降雨・蒸発履歴を考慮することで盛土内部の応力状態に及ぼす影響を解析的に把握することを目的とする。
  • 堤 成一郎
    セッションID: OS21-09
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    疲労き裂発生規準の確立を目指した研究はこれまでにも数多くなされているが,疲労試験中の特定回数における応力-ひずみ曲線から計測した塑性ひずみ振幅と疲労き裂発生(もしくは試験片破断)寿命(N)の相関に注目したManson-Coffin則の成立に基づくものが主流であり,適用範囲は特定の試験条件および構造に限定される.一方,繰返し弾塑性モデルの開発は,比較的大きな繰返し応力下で計測されるヒステリシス・ループやラチェッティング現象など,いわゆる(極)低サイクル疲労中の変形予測を主眼に進められてきた.しかし,一般に巨視的弾性の繰返し応力条件下となる高サイクル疲労試験中にも,サイクル数の増加に伴って突如塑性ひずみが発生し,その後疲労き裂発生に至ることが確認されている. 本研究では,提案モデルに基づく完全両振り変動荷重下の疲労き裂発生寿命予測評価手法の確立へ向けた基礎的検討を目的とし,まずモデルの応答を詳細に把握し,繰返し応力に伴う塑性ひずみ急増現象とその後のダメージの蓄積および繰返し応力-ひずみ曲線との関係を示す.次に,一定荷重振幅および多段変動荷重下において予測される疲労き裂発生寿命に関して考察を行う.
  • Hashiguchi Koichi, YAMAKAWA Yuki
    セッションID: OS21-10
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    古典弾塑性モデルや初期下負荷面モデルによる弾塑性有限変形論はほぼ確立された状況である.
    本発表では,繰返し負荷現象を対象とする拡張下負荷面モデルの有限変形への適用に当たっての基本定式化について述べる.
  • 山川 優樹, 千田 大, 池田 清宏, 橋口 公一
    セッションID: OS21-11
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
    会議録・要旨集 フリー
    塑性変形勾配テンソルの乗算分解に基づく摩擦性材料の有限変形弾塑性構成モデルを提案する.有限変形弾塑性構成モデルにおいて一般的に用いられる変形勾配テンソルの弾性部分・塑性部分への乗算分解に加え,塑性部分をさらにエネルギー貯留部分とエネルギー散逸部分に乗算分解し,前者により異方塑性硬化がもたらされるものとする.具体例として応力三不変量依存型のCam-clayモデルを取り上げ,リターンマッピングによる応力計算法を開発するとともに,幾つかの数値解析例に適用し,提案した構成モデルの基本特性および応力計算法の妥当性を示す.
  • 大野 信忠
    セッションID: OS21-12
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    講演者の研究室では,企業等のニーズに応じた非弾性材料モデルの開発を行ってきた.これまでに開発した非弾性材料モデルは,(1)繰返し負荷のもとでの進行性変形であるラチェット変形のための非線形移動硬化モデルと,(2)環境保護の観点から重要となった鉛フリーはんだの非弾性変形を主対象とした速度依存モデルである.本報告では,まず,これらの非弾性モデルの概略について述べる.次に,両モデルにおいて重要な役割を果たす移動硬化モデルのこれまでの発展過程について報告する.さらに,金属材料の繰返し硬化の特徴とモデル化についても述べる.
  • 橋口 公一
    セッションID: OS21-13
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    繰返し負荷による弾塑性変形現象を表現するモデルが種々提案されている.これらは,移動硬化の概念に基づくモデル(多面,2面および単面モデル)と応力が降伏面に近づくにつれて塑性変形が発達するという考えに基づく下負荷面モデルに分類される.本発表では,これらの基本構造および得失を分析する.
  • 富田 佳宏
    セッションID: OS21-14
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
    会議録・要旨集 フリー
    材料の大変形下において生じる様々なスケールの変形の局所化現象の解明は,各種材料・構造の最終強度の評価,材料の成形性の予知,変形を利用した材料・構造の高機能化を行う上で重要である.これまでに,多種多様な材料の各種スケールの大変形応答評価法の確立とその応用に関する研究が推進された.ここでは,マクロスケールの材料の変形挙動を中心に,その構成式と有限要素法を援用した多様な解析法の概要を示す.さらに,材料の特性を評価し高機能化するためには,微視組織間の相互作用ならびに成長を予知することが不可欠で,微視組織のモデリングとシミュレーションは極めて重要である.講演において,マイクロ,メゾ・マクロに至る材料の組織のモデル化とその特性評価についても触れることにする.
OS2 混相流動機構の実験的探求
  • 深澤 朝仁, 馬渕 祥吾, 福原 豊, 波津久 達也, 賞雅 寛而
    セッションID: OS02-01
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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     二流体モデルの高精度化を図るため,界面積濃度輸送方程式をモデルに導入する試みがなされているが,そのためには,広範な流路構造と流動条件下において二相流の界面構造データを収集し,物理モデルを基盤とした界面積濃度輸送項に関する構成方程式を開発していく必要がある.細管内二相流は,管軸方向の急峻な圧力勾配によって気相が加速し,常に発達しながら流動するため,界面積濃度輸送方程式の開発には,このような流れの発達過程におけるボイドの輸送項や,界面積濃度の生成,消滅項に関するモデル化が必要となる.しかしながら,細管内気泡流の界面積濃度輸送に着目した研究は,計測の困難さ等から解析的研究はもとより実験的研究についても非常に数少ない状況にある.
     本研究では,界面積濃度輸送モデルの高度化に関連して,細管内気泡流の管断面相分布特性とその管軸方向の発達特性に関する実験データベースを構築するとともに,得られた実験データから,細管内気泡流の流動機構を検討した.
  • 北浦 秀和, 粥川 弘英, 田坂 裕司, 村井 祐一, 城野 清治
    セッションID: OS02-02
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    ダムや湖水等において,日射による表層温度の上昇に起因した貯水の成層化は,
    湖底の酸素欠乏を招く等,水環境を悪化させる原因となっている.
    このような大規模に生じた成層の破壊・混合を行う手段として,
    気泡プルームを用いる方法が活用されている.
    気泡プルームが層流状態を成すような小スケールの成層環境では,
    駆動される対流がプルーム近傍の閉空間に抑制され,
    時間が経過しても成層破壊が水平方向にほとんど進行しないのに対し,
    大スケールの成層環境では密度成層下の二相流として流動不安定要因により攪拌混合が確保される.
    本研究では,染料を用いた可視化,及び,UVPを用いた速度計測の結果から,
    気泡プルームにより密度成層の破壊が進行するメカニズムについて論ずる.
  • 山田 昌弘, 篠原 大輔, 齋藤 隆之
    セッションID: OS02-03
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    本研究の目的は,大口径気泡塔内の大規模流動構造と濃度輸送との関係を解明することである.著者らは,新たに気泡特性と溶解濃度とを同点で同時に計測可能な光電プローブを開発した.この光電プローブ及びLDVを用いることで,従来の研究では議論されていない,時間とともに変化する流動構造と濃度輸送との関係に着目し議論する.積分長さスケールの考え方を導入することで,似た変動特性を持つ特徴的な気泡群・流体塊・溶解濃度の空間スケールを算出した.気泡塔底部では比較的大きな気泡群が存在し、さらに時間とともに存在する位置が変動していることを定量的に示した.一方,塔頂部においては,気泡群のスケールが塔底部と比較し,より小さなスケールへと遷移したことがわかった.また流体塊は,気泡発生部からの高さによらず,気泡群のスケールとほぼ同程度であった.溶解濃度のスケールは,上記の流動構造のそれとは異なる結果を示した.より詳細な結果は,講演にて発表する.
  • 石川 正明
    セッションID: OS02-04
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    回転円盤によって隆起される円筒容器内流れに,微小気泡(マイクロバブル)を混入することで,中心部へ侵入が起こらず,外円筒部のみに流れが起こることが分かった.一般的に,回転流れ場では,密度差に起因して気体が中心部へ集まることが知られているが,そのようなことは起こらなかった.本研究では,この流動場において,なぜ微小気泡は中心部へ侵入できないのかを流れの可視化およびPIVにより解明を試みる.
  • 熊谷 一郎, 酒巻 春輝, 佐藤 慧弥, 大石 義彦, 田坂 裕司, 村井 祐一
    セッションID: OS02-05
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
    会議録・要旨集 フリー
    著者らは、船舶の摩擦抵抗低減を目的とした水中翼による気泡発生装置や、流体の効率的な撹拌・混合のための回転翼型気泡発生装置を開発してきた。これら装置による気泡発生のメカニズム解明の鍵は、水中翼表面に発生する負圧による気体の連行現象と、水中翼周りで起こる気液の相互干渉による複雑な二相流の物理が握っている。本講演では、水平運動する水中翼による気泡発生メカニズムと翼周りの二相流の物理について、可視化実験結果を基に議論する。
  • 鳥生 雅彦, 齋藤 隆之
    セッションID: OS02-06
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
    会議録・要旨集 フリー
    界面活性剤の付加量を変えた液相中にジグザグ上昇する気泡を射出し,高速ビデオカメラを用いて気泡運動及び気泡後流を捉え,界面活性剤の気液界面吸着の影響を考察する.発光強度がpH依存を示す蛍光試薬と二酸化炭素気泡を用いることで,蛍光試薬溶液の輝度変化より液相中に溶解した二酸化炭素の輸送過程及び気泡後流を可視化した.界面活性剤添加量の増加とともに,気泡の界面振動は減衰し,気泡形状も左右対称な形状へと変化する.一方,気泡上昇速度は,無添加溶液中では終端速度に達すると以後一定となるが,付加溶液中では終端速度に達した後,周期的に速度が増減する(ジグザグ軌道の変曲点にて最小値を示す).これは,界面に吸着した界面活性剤の不均一分布による影響(マランゴニ効果)である.さらに気泡後流及び二酸化炭素の輸送過程を同時に可視化した結果より,気泡後流の物質輸送への効果を考察する.
  • 三村 拓也, 北川 石英, 石川 正明, 村井 祐一
    セッションID: OS02-07
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
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    本研究では,マイクロ粒子の比重をパラメータとして,マイクロバブルとマイクロ粒子を同時に含むマイクロスケール三相流の可視化画像計測を行った.マイクロバブルは,容器下部に設置された気泡発生装置より,また,マイクロ粒子は,容器上部に設置された粒子落下装置より,テスト部に注入された.マイクロバブルには,水の電気分解によって発生する水素気泡を用いた.実験結果より,比重1.0のマイクロ粒子の場合では,マイクロバブル注入の有無に依らず,粒子クラスタが生じないのに対し,比重1.2のマイクロ粒子の場合では,マイクロバブル注入時において,粒子クラスタが発生することが明らかとなった.この粒子クラスタの発生は,主に,周囲液体よりも慣性力の大きいマイクロ粒子と,気泡群内で運動が拘束されたマイクロバブルとの直接干渉に起因すると考えられる.
  • 渡村 友昭, 田坂 裕司, 村井 祐一
    セッションID: OS02-08
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
    会議録・要旨集 フリー
    流れ場中に存在するマイクロバブル群が気泡径よりも大きな流動構造に与える影響を調査するために,同軸回転二重円筒間に形成されるテイラー・クエット流れの三次元流動状態を調査した.実験と直接数値シミュレーションから得られるそれぞれの速度場を併用した解析手法,ハイブリッドシミュレーション(Suzuki, et al., Exp. Fluids, 2009)を応用し,非定常三次元速度ベクトル場の再構成を行った.実験で得られたテイラー渦の渦管断面における速度成分に加え,ナビエ・ストークス方程式,連続の式を用い,波動テイラー渦が変調振動する様子,ならびに,マイクロバブルの添加により変調波動強度が減少する様子を再現した.再構成された速度ベクトル場から,エネルギー散逸率の空間平均値,ならびに,せん断応力の軸方向平均値がマイクロバブルの添加により低下することを示した.
  • 水嶋 祐基, 齋藤 隆之
    セッションID: OS02-09
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
    会議録・要旨集 フリー
    超純水に対してフェムト秒パルスレーザーを集光させ気泡の生成を行った.このとき,fsパルス集光位置から大きさがほぼ10mmの気泡核発生を確認した.その様子をポンププローブ法を用いてフェムト秒の時間間隔で撮影した結果,パルス照射直後に超純水の屈折率が変化し,その領域が伝播していく様子を捉えた.さらにプラズマによる発光の後,気泡核が生成された.生成気泡の挙動は圧力または温度変化によるものとは異なることが分かった.これらの結果から,従来のレーザー誘起気泡生成(レーザーキャビテーション)とは大きく異なる,新奇な気泡生成メカニズムであることを示す.さらに,レーザー集光径,及びレーザー出力と生成気泡の特徴との関係についても検証した.結果,生成気泡径はレーザー集光径によらずほぼ10mmであり,レーザー出力が一定値以上になると生成気泡数が増加することが分かった.その他の結果は,講演にて詳細に報告する.
  • 大石 義彦, 北川 石英, 田坂 裕司, 村井 祐一
    セッションID: OS02-10
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
    会議録・要旨集 フリー
    壁面近傍をスライドする気泡は,液相速度勾配の影響を受けて生じた揚力について多く実験や理論的な知見が得られている.本研究では傾斜・水平チャネル内における壁面近傍をスライドする気泡群のうち,気泡間相互作用が効果的に働く条件に注目する.傾斜チャネルの場合は気泡の浮力によって壁面をスライドしながら自然上昇するが,水平チャネルは管内に圧力勾配を与えることで液相流れを作るため液相速度分布やせん断応力分布があり,浮力により上部壁面に集積した気泡が壁面近傍をスライドする.このとき,気泡自身は気泡間干渉によって引き起こされた乱れによって気泡通過頻度を変化させる.著者らは気泡通過頻度より気泡間に及ぼす影響を明らかにするため可視化計測を行った.壁面摩擦や流動構造の変化について壁面近傍をスライドする気泡の通過頻度の影響から議論する.
  • 細川 茂雄, 池田 聡, 冨山 明男
    セッションID: OS02-11
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
    会議録・要旨集 フリー
    気泡乱流は,壁面近傍のせん断誘起乱れと気泡誘起擬似乱れが相互作用する複雑な乱流であり,そのモデル化にはさらなる乱流特性の理解が必要である.著者らは,フォトブリーチング分子タグ法を用いた気泡乱流における乱れエネルギ(TKE)収支評価手法を開発し,乱れエネルギ収支に及ぼす気泡の影響を調べてきた.本研究では,壁面近傍を運動する気泡が乱れエネルギ収支に及ぼす影響を調べるとともに,フォトブリーチング分子タグ法と空間フィルタ流速計を組み合わせた速度計測手法(MT-SFV)により,高空間分解能かつ等時間間隔の速度データを取得し,乱流スペクトルに及ぼす気泡の影響も調べた.その結果,粘性底層を相対速度が大きい気泡が流動する場合に気泡により誘起された高波数速度変動がカスケード過程と類似したTKEの高波数領域への輸送を誘発し,その結果,TKEの消散率を高めている可能性が示唆された.
  • 塚田 将吾, 池田 元洋, 二宮 尚
    セッションID: OS02-12
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
    会議録・要旨集 フリー
    近年、数値計算により混相流に関する詳細な研究が可能となっているが、より精度の高い計算を行うためには、実験結果との詳細な比較検討が必要不可欠である。しかし、界面の存在により、混相流の計測は難しく、実験結果は主に連続相に限られており、分散相の詳細なデータの蓄積が急務である。
    筆者らは、屈折率一致法によって、液液二相流に対し、連続相と分散相の流れ場を同時に可視化し、粒子画像流速計(PIV)によって、詳細な速度ベクトル分布を得た。更に、二つの液滴が静止流体中を落下する際に、お互いの相互作用によって、後方の液滴が前方の液滴を追い越す様子の詳細を捉えた。また、その際の液滴周囲の圧力分布を算出し、追い越しのメカニズムの詳細を明らかにした。
    本研究では、静止流体中を落下する二つの固体球の周りの流れをPIVにて計測し、固体球周囲の圧力分布を求めることで、固体球の相互作用と液滴の相互作用の違いを明らかにした。
  • Setiawan Arief, 末包 哲也
    セッションID: OS02-13
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
    会議録・要旨集 フリー
    原油生産において水攻法は非常に重要な過程である.このとき,水の侵入に伴って,オイルは多孔質岩石中にトラップされる.マイクロフォーカスX線CT装置の発展により,これらの過程を3次元可視化することが可能になった.本研究ではオイルで満たされたガラスビーズ充填層に水を鉛直上向きに注入し,トラップ過程で3次元で可視化した.オイルと水の相互作用に与える濡れ性および初期状態の影響について述べる.微視的な観察により,オイルトラップは水の侵入によるオイルの連続性の切断による生じる.初期的な水飽和率はトラップ現象にあまり大きな影響を与えない.
  • Erkan Nejdet, YASUI Tetsu, Okamoto Koji
    セッションID: OS02-14
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
    会議録・要旨集 フリー
    アップ高温面上にこの日付液滴衝突現象には、研究分野の広いスペクトルから大きな注目を集めている。途方もない実験と計算の仕事は文学にも存在しますが、高温面上で沸騰液滴衝突の熱水力メカニズムが原因で問題が複雑で手に負えない境界条件(BC)に由来する現象のパラメトリック感度にいくつかの相反するアプローチを受け。我々は高速可視化システムを採用した別々のエフェクトのテストを行うことにより、実験的なBC(例えば、表面粗さ、周囲の圧力)に起因する液滴沸騰レジームのパラメトリック変化を調べる。
  • 村井 祐一, 白鳥 貴久, 相川 祐輝, 木村 拓史, 熊谷 一郎, フィッシャー ペーター
    セッションID: OS02-15
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/26
    会議録・要旨集 フリー
    気液界面に分子論的な厚みをもつ被膜があると、清浄な自由表面とは異なった界面せん断応力が発生する。これは被膜の弾粘性と界面張力の干渉によって生まれるもので、そのような現象を扱う力学を界面レオロジーとよぶ。本研究では容器内の水平な気液界面に微小気泡や微小粒子を分散させ、界面レオロジーの考え方から誘導される貯蔵弾性率、損失弾性率、ならびに実効粘度を評価し、その内部混相流動メカニズムと対照させる。
OS1 混相流の数値シミュレーション
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