Journal of Chemical Software
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6 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 生尾 光, 市川 朋美, 寺谷 敞介
    2000 年 6 巻 2 号 p. 45-54
    発行日: 2000/12/15
    公開日: 2000/07/28
    ジャーナル フリー
    水と二酸化炭素が反応して炭酸を生成する反応において、一分子の水より、二量体の水のほうが、二酸化炭素と反応しやすい。この二つの反応について半経験的分子軌道法(MOPAC)により量子化学計算を行った結果、非経験的分子軌道法のそれをよく再現し、十分信頼性のある反応プロフィールを描くことが分かった。計算結果に基づきコンピュータグラフィクス(CG)を作成し、動画にした。
  • 大野 隆, 梅野 千佳, 幡山 文一, 戸田 与志雄, 宮田 壽
    2000 年 6 巻 2 号 p. 55-66
    発行日: 2000/12/15
    公開日: 2000/07/28
    ジャーナル フリー
    MS-DOS上のC言語でプログラミングされていた波形解析プログラム(SP)をPascal 言語 (Delphi) を用いてWindows98/95およびWindowsNT環境下で動く、GUI(Graphic User Interface)に優れたシステムとして移植した。これにより、SPはメモリの制約をほとんど受けることがなくなり、データ量に関わらず複数のデータを同時に扱うことができるようになった。さらに、Windowsの特徴であるユーザーフレンドリーなインターフェイスを活用し、すべての操作がマウスで行えるので初心者でも簡単に波形解析を行えるものとなった。また、マルチウィンドウによって、複数の操作結果を同時に表示することもできるようになった。
  • 田島 澄恵, 片桐 孝洋, 金田 康正, 長嶋 雲兵
    2000 年 6 巻 2 号 p. 67-74
    発行日: 2000/12/15
    公開日: 2000/07/28
    ジャーナル フリー
    大規模分子軌道計算ための初期分子構造パラメータを簡便に得るために、拡張ヒュッケル法で用いられるスレータ軌道のイクスポーネントを水素、炭素、窒素、酸素について求めた。また、全エネルギーのみを用いて分子構造パラメータを最適化するプログラムを開発した。これを用いると、炭化水素分子の分子構造パラメータを実験値と10%程度の誤差で得ることができた。拡張ヒュッケル計算では、計算時間の99%以上が行列要素の生成と対角化に用いられるため並列計算の効果が大きい。そのため、メッセージパッシングライブラリMPIをもちいて並列化された対角化のルーチンをもちいたプログラムの並列化を行った。DEC Alpha2116A/533MHz8台のPCクラスタを用いたDNAのHelix構造 (115原子:286次元 )分子の構造最適化を実行したところプロセッサ数8台まで90%以上の並列化効率が得られた。
  • 寺前 裕之
    2000 年 6 巻 2 号 p. 75-84
    発行日: 2000/12/15
    公開日: 2000/07/28
    ジャーナル フリー
    TCGMSGおよびMPIメッセージパッセンジャーを用いた、一次元ポリマーのエネルギーバンド計算の並列処理について述べる。計算機として、IBM RS6000 4台によるワークステーションクラスターならびにPentium IIを使用したパーソナルコンピューター2台からなるPCクラスターを使用した。以前の報告で使用した二電子積分の並列化では、16並列とした場合に負荷分散がうまくいっていなかったが、新しいアルゴリズムにより改善できることを示した。CeleronをCPUとして使用したPCクラスターでの計算も試みたが、Pentium IIよりは並列度が上がらない結果が得られた。MPIを用いた場合にはTCGMSGに比べて、メモリー転送のオーバーヘッドが生じるため、やや計算時間が増加する。また実際の計算に要する実時間はネットワークの構造にかなり依存することが判明した。
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