Journal of Chemical Software
Online ISSN : 1883-8359
Print ISSN : 0918-0761
ISSN-L : 0918-0761
6 巻, 3 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • - 積分カットオフとの関連-
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2000 年 6 巻 3 号 p. 85-104
    発行日: 2000年
    公開日: 2000/11/30
    ジャーナル フリー
    分散メモリ型並列計算機上での大規模分子軌道計算で、計算時間短縮に大きな効果をもたらす積分カットオフの問題に注目し、積分カットオフの閾値が計算結果に与える影響や、大規模分子における積分カットオフの割合について調べた。大規模分子では、2つの添字だけで行なうカットオフによって生き残る基底数の割合が10%以下となりほぼ一定値になること、これにより、積分数は事実上基底数 N の二乗に減少することが判明した。よって、ホストと各プロセッサの間で行列転送を行なう際には積分カットオフに対応した転送行列のカットオフを行なう事が通信量やメモリ量の軽減に必須であることが分かった。
  • -酸化数および化合物命名法
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2000 年 6 巻 3 号 p. 105-114
    発行日: 2000年
    公開日: 2000/11/30
    ジャーナル フリー
    化学の基礎的概念を取り扱う2つの対話型コンピュータ支援学習(C.A.L.)プログラムについて報告する。これらのプログラムは、それぞれ酸化数および無機化合物命名法について取り扱っている。両プログラムとも、カナダのニューブランズウィック州モンクトン大学において、最初はフランス語による化学の入門的補習コースあるいは速習コースで使用するために開発された。酸化数に関するプログラムはすでに英語に翻訳されており、命名法に関するプログラムについても翻訳する予定である。両プログラムは高校生および大学1年レベルの学生に最適である。
  • ― ペリラルチン類の甘味・苦味分類 ―
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 情報学
    2000 年 6 巻 3 号 p. 115-126
    発行日: 2000年
    公開日: 2000/11/30
    ジャーナル フリー
    分子構造によって甘味や苦みの性質を示す22種類のペリラルチン類の分類を3層のパーセプトロン型ニューラルネットをもちいて行った。入力パラメータとして、疎水性パラメータLogPと分子構造STERIMOLパラメータ5種のパラメータを用いると、非線形分類法の一つである3層のパーセプトロン型ニューラルネットで誤認識が全く無しに正しい分類学習が可能となる。入力層ニューロン数と出力層ニューロン数をそれぞれ、6と2としたとき、再構築学習法によって最小化された中間層ニューロン数は1となり、最小の中間層ニューロン数を持つ。逆に中間層ニューロン数を1と固定し、入力パラメータの数を最小化すると、LogPと分子の幅を示すSTERIMOLパラメータWrの合計2つだけで誤認識のない分類が可能であることがわかった。 STERIMOLパラメータの代わりに、分子構造の共通な骨格上の6原子の形式電荷とそれぞれの分子の最高占有軌道(HOMO)と最低非占有軌道(LUMO)エネルギーおよび両者の差(HOMO-LUMO Gap)を選択し、それらとLogPを入力パラメータとして用いた再構築学習の結果も中間層ニューロン数が1となった。この場合、甘味・苦味の分類には、LogPに加え、ペリラルチン類の6員環の2重結合に関わる炭素原子の電子状態が重要である。これはWrが重要であることに対応している。またLUMOエネルギーが重要であることがわかった。これは、甘味の発現には電子親和性の反応が関わっていることを示唆している。 分子軌道計算から得られる情報のみ、すなわち形式電荷とHOMO, LUMOエネルギーおよびHOMO-LUMO Gapを入力パラメータとした場合、中間層ニューロンの数は3となった。
feedback
Top