林業用大型機械走行が林地土壌へ与える影響や,締固めのメカニズムを調べることを目的として,北海道内の35年生トドマツ人工林で弱湿性褐色森林土(網走)と,31年生カラマツ人工林で適潤性未熟土(恵庭)の2ヶ所で,コーン貫入試験,わだち深さ,土壌採取を実施した。採土は,自然乾燥後,乾燥単位体積重量γ_dを求めた。網走では,未走行地と各機械走行後の土壌締固めを比較すると,機械走行後の土壌層の厚さは,走行後1/2に減少していた。γ_dについては,未走行地の表層土壌に対してハーベスタ走行後は1.50倍,フォワーダ走行後は1.48倍となっていた。恵庭では,コーン指数は表層部が上昇していたが,各作業機械による変化は見られなかった。γ_dについては,未走行地の表層土壌に対してハーベスタとフォワーダの走行後は,各々1.05倍,1.36倍となり,締固めは網走に比べて小さかった。これらのことから,接地圧の大きい作業機械は土壌の締固めも大きく,土質の違いによっても機械走行の影響が異なることが確認できた。また,土壌の締固めは,鉛直下方のみではなく,側方にも応力を受けることが推測された。
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