森林利用研究会誌
Online ISSN : 2432-5996
Print ISSN : 0912-960X
10 巻 , 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
論文
  • 孔 徳剛, 藤井 禧雄
    原稿種別: 論文
    1995 年 10 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル フリー
    高把式チェーンソーの作業特性を明らかにするために,中国製高把式2機種と中国製ならびに日本製低把式2機種を用いて,伐倒,玉切りを模した実験および林道上での保持歩行実験を行い,被験者の心拍数と前腕の筋電パルスを計測し,それらの作業特性と問題点を比較検討した。その結果,4機種の重量を同一にした条件下で,以下の点が明らかになった。伐倒作業において,高把式は,より自然な姿勢で鋸断作業が行え,また,左手と右手の握力のバランスが良く,作業者の心拍増加数,筋電パルスとも低く,低把式と比較して優れた作業特性を示した。しかし,玉切り作業では,高把式と低把式との心拍増加数に有意差が認められず,伐倒作業で見られたほどの優位性は認められなかった。また,チェーンソーの保持歩行の場合,高把式ハンドル部の構造により,バランス良く把持できる形式とできない形式とが認められ,筋電パルスに有意差が認められた。そして,本研究で使用された中国製高把式について言えば,日本製低把式と比較して,重量および鋸断性能の点で劣ることが明らかになり,その改善が望まれた。
  • 豊川 勝生, 今冨 裕樹, 山田 容三, 市原 恒一
    原稿種別: 論文
    1995 年 10 巻 1 号 p. 10-20
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル フリー
    林業作業における災害分析の結果,林業作業者の高齢化に伴う平衡性や敏捷性の運動機能低下に関連すると思われる災害,「余勢」,「手元が狂った」,「転倒」という動作中の災害が多いことが分かった。林業作業者の運動機能調査では,最大酸素摂取量(持久性),握力(筋力)の加齢による低下は全国標準値より小さいが,閉眼片足立ち(平衡性),全身反応時間(敏捷性)で低下が大きかった。林業作業者の高齢化状況に関するアンケート調査では,「持久力」,「脚力」,「柔軟性」の運動機能の低下は少なかったが,「視力」,「聴力」,「字を書く速度」,「記憶力」の機能は年齢とともに低下が著しい。林業作業中における作業者の手・足・腰の動作,背筋と足,腕と背筋の動く角度と角速度などを計測し,運動機能との関連を検討した結果,加齢に伴い低下する「平衡性」,「敏捷性」を特に使う作業として,巻立作業,伐倒作業があげられた。
  • 朴 相俊, 山本 宏, 岩岡 正博, 小林 洋司
    原稿種別: 論文
    1995 年 10 巻 1 号 p. 21-26
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル フリー
    タワーヤーダによる間伐林2段集材作業の時間観測を行い,その要素作業時間および集材作業功程について分析した。その結果,上段集材と下段集材の1日当たりの平均集材材積は,各々35.4m^3と64.8m^3であった。全体の1日当たりの平均集材材積は22.8m^3であり,平均集材回数は,1日当たり上段集材34.5回集材に対して下段集材を33回の割合で集材することが能率的であることが分かった。ここで,中間支柱を乗り越え可能な搬器を採用し,1段集材と仮定した場合の作業功程を算出した結果,1日当たりの平均集材材積は15.8%向上し,26.4m^3となることが分かった。
  • 田坂 聡明, 枝川 康幸, 若松 博文, 和田 陽一
    原稿種別: 論文
    1995 年 10 巻 1 号 p. 27-33
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル フリー
    本報告ではレーザ変位計を用いた地表面測定装置の開発について報告する。この装置では,レーザ変位計と地表面間の距離を測定することにより,パソコンによる簡易な地表面形状測定と記録が可能となる。製作にさきだち,レーザ変位計の林内土壌に対する適応性を検討するため,土壌を対象とした測定時の計測誤差を求めた。この結果測定範囲全域において,測定誤差は2mm以内であることが明らかになった。また,土壌の湿潤,乾燥による影響は砂,土で認められたが,湿潤による色変化の影響は少ないと判断された。また,試作器を用いた測定の結果,装置の有効性が明らかにされた。
  • 立川 史郎, 猪内 正雄, 大西 裕二
    原稿種別: 論文
    1995 年 10 巻 1 号 p. 34-42
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル フリー
    車両系機械による傾斜地での集材作業では,集材路作設にともなう土砂流出の防止など,林地保全面を考慮した作業方法に関する検討が求められている。本研究では,ミニフォワーダによる集材作業を対象に,集材路からの土砂流出を防止するための施設設置費用を林地保全費用として計上し,集材費用C_fと林地保全費用(堰堤作設費用C_<e1>およびのり面緑化費用C_<e2>)の和を最小とする集材路間隔を求めた。その結果,傾斜30°において総費用を最小とする集材路間隔は,C_fのみでは17mとなったのに対し,C_f+C_<e1>では21mとなり,C_f+C_<e2>では31mとなった。C_f+C_<e2>を最小とする条件での生産性は,2.87m^3/hrから1.99m^3/hrに低下し,また総費用は1,500円/m^3から2,990円/m^3と約2倍に増大した。これらはいくつかの仮定条件のもとで算定された結果ではあるが,林業経営と林地保全を両立させるという観点からは,傾斜地での高密な集材路網によるミニフォワーダ作業は回避すべきであろう。
  • ムルヨノ スラメト, ガンダスチャ スチャ, 吉村 哲彦, 神崎 康一
    原稿種別: 論文
    1995 年 10 巻 1 号 p. 43-51
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル フリー
    インドネシア政府は,1990年から産業造林連結型移住モデルを開始した。このモデルは,人口が過密なジャワ島から人口が希薄な東カリマンタンへの移住と東カリマンタンの造林労働者の確保という2つの目的を持っている。本研究の目的は,この移住を行った人たちが移住モデルをどの程度受け入れているのか,移住後の受容の程度を事前に予測できるかどうかについて明らかにすることである。調査は,質問紙によるアンケート調査によって行った。居住者の移住モデルに対する受容状態を仕事と移住に対する2つの要因の満足度から4つの受容状態に分けて正準判別分析を行った結果,有意水準5%で第3正準変量まで有意であることが示され,第1正準変量は仕事に対して満足かどうか,第2正準変量は移住に対して満足かどうかを示すという結果になった。正準判別分析の結果,判別率は64.6%であった。同様に正準判別分析を用いて事前判別を行った結果,判別率は60.8%で4つの受容状態がほぼ4つの象限に分けられた。その結果から,移住後の受容状態について事前判別の可能性があるものと考えられた。
  • 山本 仁志
    原稿種別: 論文
    1995 年 10 巻 1 号 p. 52-56
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル フリー
    林道の路面凹凸,特に窪みは,林道保全の支障となり,排水や支持力に少なからず影響している。このため,適正な維持補修時期を予測する必要がある。そこで新潟大学佐渡演習林とアスファルト道路を1991年8月,1994年3月に10cm間隔のレベル測量を行い,14本の側線を得た。この標高値を用いて,路面凹凸の評価を行った。各側線20mごとの標高値の凹凸の最大振幅値の小さい順に良い路面,普通路面,悪い路面と3分類した。各区分ごとに側線20mを2mづつに区切り,図化し,それぞれの2m区間の最大窪みの長さと深さとを図上で計測した。3分類された各々を比較すると,窪みの長さと深さの平均値は,良い路面の窪みの長さ(99cm)と深さ(10mm)に比べて,悪い路面の窪みの長さ(90cm)は短く,深さ(20mm)は深い。パワースペクトル解析による周波数・スペクトル量は良い林道路面では周波数(3.45回/m)が低く,スペクトル量も小さく,悪い林道路面は周波数(5.2回/m)が高く,スペクトル量も大きい。
  • 瀧本 義彦, 黄 箭波
    原稿種別: 論文
    1995 年 10 巻 1 号 p. 57-62
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2017/11/17
    ジャーナル フリー
    近年,広く用いられるようになった枝打ち機械の,実際の使用状況および使用後の感想を調査した。今回は自動枝打ち機械「えだうちやまびこAB230R」に限定し,実際に現場で使用している人を対象に,メーカの協力を得て購入者の内,個人と団体に郵送で依頼し,337通の回答を得た。枝打ち作業・枝打ち機械の使用状況を尋ねた結果,平均値は作業者の年齢:52.2才,経験年齢:22.5年,胸高直径18.8cm,枝打ち高:8.8m,樹高:15.4m,1台を1.4人で使用,一日6時間で48.6本枝打ちする。主な樹種はスギとヒノキであった。枝打ち機械を使用した感想を5段階評価で尋ね,ファジィ評価の手法による処理を試みた。調査項目をファジィ集合X,評価尺度をファジィ集合Y,重みのファジィ集合をAとした。ファジィ演算による総合評価は5点満点にすると,「枝打ちやまびこAB230R」の得点は3.16点であり,「普通」と認められた。この様なアンケート調査の処理にファジィ理論は有効と思われた。
研究・技術速報
feedback
Top