自然言語処理
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22 巻, 1 号
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巻頭言
論文
  • 今村 賢治, 東中 竜一郎, 泉 朋子
    2015 年 22 巻 1 号 p. 3-26
    発行日: 2015/03/16
    公開日: 2015/06/16
    ジャーナル フリー
    本稿では,日本語を対象とした対話用述語項構造解析を提案する.従来,述語項構造解析は,主に新聞記事を対象に研究されてきた.新聞と対話ではさまざまな違いが存在するが,本稿ではこれを包括的に扱うため,対話用述語項構造解析器の構築を,新聞から対話への一種のドメイン適応とみなす.具体的には,対話では省略や代名詞化が新聞記事に比べて頻繁に現れるため,ゼロ代名詞照応機能付きの述語項構造解析をベースとし,これを対話に適応させる.パラメータ適応と,訓練コーパスがカバーしきれない語彙知識を大規模平文コーパスから自動獲得することにより,新聞記事用のものに比べ,対話に対して高精度な述語項構造解析を実現した.
  • 角田 孝昭, 乾 孝司, 山本 幹雄
    2015 年 22 巻 1 号 p. 27-58
    発行日: 2015/03/16
    公開日: 2015/06/16
    ジャーナル フリー
    本論文では,手紙文書とそれに対する応答文書など対となる二つの文書間における文レベルでの対応関係を推定する課題を提案し,解決手法を検討する.これまで,単一の文書内における文同士の関係や対話における発話同士の関係を対象とした研究は盛んに行われて来たのに対し,二文書間における文書を跨いだ文対応関係にはあまり注目されて来なかった.このような関係の例として,質問と応答,依頼と回答などが挙げられる.文対応関係を用いることで文書によるコミュニケーションをより細かい単位で説明できることから,本関係の推定が実現すれば様々な応用が期待できる.一例として,文書対の群から対応を持つ文を抽出すれば,各文書対でどのようなコミュニケーションが行われているかを提示することが可能となる.我々は文対応関係の自動推定を実現するため,本課題を文対応の有無を判定する分類問題とみなして条件付確率場を用いる手法を提案する.具体的には,推定した文の種類を文対応推定に活用する対話文書を対象とした従来手法を,本論文の課題に適用する手法を示す.加えて,文種類の推定と文対応の推定を同時に行う拡張モデルによる手法を提案する.実際の宿泊予約ウェブサイトにおけるレビュー・返答対を対象とした評価実験の結果,拡張モデルは拡張前のモデルよりも高い性能である適合率 46.6%, 再現率 61.0%の推定性能を得た.
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