自然言語処理
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22 巻 , 5 号
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巻頭言
論文
  • 新納 浩幸, 村田 真樹, 白井 清昭, 福本 文代, 藤田 早苗, 佐々木 稔, 古宮 嘉那子, 乾 孝司
    2015 年 22 巻 5 号 p. 319-362
    発行日: 2015/12/14
    公開日: 2016/03/14
    ジャーナル フリー
    語義曖昧性解消の誤り分析を行う場合,まずどのような原因からその誤りが生じているかを調べ,誤りの原因を分類しておくことが一般的である.この分類のために,分析対象データに対して分析者 7 人が独自に設定した誤り原因のタイプを付与したが,各自の分析結果はかなり異なり,それらを議論によって統合することは負荷の高い作業であった.そこでクラスタリングを利用してある程度機械的にそれらを統合することを試み,最終的に 9 種類の誤り原因として統合した.この 9 種類の中の主要な 3 つの誤り原因により,語義曖昧性解消の誤りの 9 割が生じていることが判明した.またタイプ分類間の類似度を定義することで,統合した誤り原因のタイプ分類が,各自の分析結果を代表していることを示した.また統合した誤り原因のタイプ分類と各自の誤り原因のタイプ分類を比較し,ここで得られた誤り原因のタイプ分類が標準的であることも示した.
  • 叶内 晨, 北川 善彬, 荒牧 英治, 岡崎 直観, 小町 守
    2015 年 22 巻 5 号 p. 363-395
    発行日: 2015/12/14
    公開日: 2016/03/14
    ジャーナル フリー
    ソーシャルメディアサービスの普及により,人々や社会の状況を調査する新しいアプローチが開拓された.ひとつの応用事例として,ソーシャルメディアの投稿から疾患・症状の流行を検出する公衆衛生サーベイランスがある.本研究では,自然言語処理技術を応用して,ソーシャルメディアの投稿から風邪やインフルエンザなどの罹患を検出するタスクに取り組んだ.最先端のシステムのエラー分析を通じて,事実性解析と主体解析という重要かつ一般性のあるサブタスクを見い出した.本研究では,これらのサブタスクへの取り組みを行い,罹患検出タスクへの貢献を実証した.
  • 成田 和弥, 水野 淳太, 上岡 裕大, 菅野 美和, 乾 健太郎
    2015 年 22 巻 5 号 p. 397-432
    発行日: 2015/12/14
    公開日: 2016/03/14
    ジャーナル フリー
    事実性は,文中の事象の成否について,著者や登場人物の判断を表す情報である.事実性解析には,機能表現や,文節境界を越えて事実性に影響を与える語とそのスコープなどの 4 種類の問題が含まれており,性能の向上が容易ではない.本研究では,事実性解析の課題分析を行うために,機能表現のみを用いたルールベースの事実性解析器を構築し,1,533 文に含まれる 3,734 事象に適用した結果の誤りを分析した.このとき全ての事象表現について,付随する機能表現に対して人手で意味ラベルを付与した.その結果,主事象の事実性解析については,機能表現の意味ラベルが正しく解析できれば,現在の意味ラベルの体系と本研究で用いた単純な規則だけでも,90%に近い正解率が得られることがわかった.従属事象の事実性解析では,後続する述語やスコープといった従属事象特有の誤りが多く見られた.それらの要素についてさらなる分析を行い,今後の事実性解析の指針を示した.
  • 松林 優一郎, 中山 周, 乾 健太郎
    2015 年 22 巻 5 号 p. 433-463
    発行日: 2015/12/14
    公開日: 2016/03/14
    ジャーナル フリー
    本稿では,日本語述語項構造解析における中心的課題である項の省略を伴う事例の精度改善を目指し,現象の特徴を詳細に分析することを試みた.具体的には,文内に照応先が出現する事例(文内ゼロ照応)に対象を絞り,人手による手がかりアノテーションと統語的・機能的な構造を元にした機械的分類の二種類の方法により事例を類型化し,カテゴリ毎の分布と最先端のシステムによる解析精度を示した.分析から,特に照応先と直接係り関係にある述語 O が対象述語 P と項を共有する事例が全体の 58% 存在し,O と P の間の統語的・意味的関係が重要な手がかりであることを数値的に示したほか,手がかりの種類や組み合わせが広い分布を持つこと,各手がかりが独立に確信度を上げる事例だけでなく,局所的な手がかりの連鎖が全体で初めて意味を成す事例が一定数存在することを明らかにした.
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