自然言語処理
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3 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 松本 裕治
    1996 年 3 巻 1 号 p. 1
    発行日: 1996/01/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
  • 角田 達彦, 田中 英彦
    1996 年 3 巻 1 号 p. 3-27
    発行日: 1996/01/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    本論文では, 意味解析を主とする自然言語処理システムにおける語の意味の曖昧性解消の処理の効率化を場面に基づく文脈情報を利用して実現する方法を提案する. 現在における文脈依存の意味処理では文脈の定義方法と知識の獲得方法が問題とされる. また実装時には意味選択の組合せ爆発による計算量の大きさが問題となる.文脈情報により一部の語に対してでも語義の優先順位づけが有意に行なわれれば, 共起関係などを用いて他の語の多義性や構文解析の解空問を早く絞り込むことができる. 本論文では, 談話内の言語外知識である場面情報を空間的連想による文脈情報と位置付け, 画像理解による知識獲得の近似として視覚辞書を利用し, 実際の物語文を対象にし評価した結果を示す. 場面に関連する各英語名詞に対し独立に平均1.5倍以上の処理速度向上が得られている. また多義性解消率は全く情報がない場合の51%に比べ本手法では83%まで上昇する. あわせて場面情報の知識表現の違いによる効果の違いについての考察, 手法の限界点, およびシステムに加えて必要とされる場面解析機構についての考察を述べる.
  • 小林 義行, 徳永 健伸, 田中 穂積
    1996 年 3 巻 1 号 p. 29-43
    発行日: 1996/01/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    複合名詞は名詞を結合することによって数限りなく生成できるので, 全てを辞書に登録することは不可能である. したがって, 辞書に登録されている名詞の組み合わせとして複合名詞を解析する手法が必要である. そのためには, 複合名詞をそれを構成している名詞に分割し, 名詞間の係り受け構造を同定しなくてはならない. これらの処理は統語的な手係りが少ないために難しく, 何らかの意味的な情報が必要である. しかし, 大規模な意味的情報を人手で構築し保守することはコストが大きいため, 計算機によって自動的に知識を獲得することが望ましい. 本論文では, コーパスから自動的に抽出した名詞問の意味的共起情報を用いて複合名詞の構造を解析する方法を提案する. この方法では, 共起情報を統計的に処理して名詞問の意味的関係の強さを評価し, 係り受け関係の曖昧性解消に利用する. まず, 4文字漢字語16万語から意味クラスの共起データを抽出した. 抽出した共起データから統計的に名詞間の意味的関係の強さを計算する. そのための尺度として相互情報量を基にした評価尺度を提案する. この尺度と複合名詞の構造に関するヒューリスティクス, 機械可読辞書から得られる言語知識を用いて複合名詞を解析する. 評価のために新聞や用語集から抽出した漢字複合名詞を解析し, 平均語長5.5文字の漢字複合名詞を約78%の精度で解析できた.
  • Sophia Ananiadou
    1996 年 3 巻 1 号 p. 45-66
    発行日: 1996/01/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    This paper concentrates on research into the translation of compounds in a transfer based MT system. We determine how contemporary linguistic theory can contribute to the characterisation, representation and translation of compounds. We determine productive, compositional and translatable compounds. We discuss evolving strategies for effecting translation of these compound types. The results obtained are readily adaptable to models which have a stratificational linguistic framework are able to emulate feature value percolation. The research undertaken was reductionist in nature, leading to a set of compositionally translatable productive compound types being isolated.
  • 村田 真樹, 長尾 真
    1996 年 3 巻 1 号 p. 67-81
    発行日: 1996/01/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    日本語文章における名詞の指す対象が何であるかを把握することは, 対話システムや高品質の機械翻訳システムを実現するために必要である. そこで, 本研究では名詞の指示性と修飾語と所有者の情報を用いて名詞の指示対象を推定する. 日本語には冠詞がないことから, 二つの名詞が照応関係にあるかどうかを判定することが困難である. これに対して, 我々は冠詞にほぼ相当する名詞の指示性を表層表現から推定する研究を行なっており (M. Murata and M. Nagao 1993), この名詞の指示性を用いて名詞が照応するか否かを判定する. 例えば, 名詞の指示性が定名詞ならば既出の名詞と照応する可能性があるが, 不定名詞ならば既出の名詞と照応しないと判定できる. さらに, 名詞の修飾語や所有者の情報を用い, より確実に指示対象の推定を行なう. この結果, 学習サンプルにおいて適合率82%, 再現率85%の精度で, テストサンプルにおいて適合率79%, 再現率77%の精度で, 照応する名詞の指示対象の推定をすることができた. また, 対照実験を行なって名詞の指示性や修飾語や所有者を用いることが有効であることを示した.
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