自然言語処理
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4 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 荻野 綱男
    1997 年4 巻4 号 p. 1-2
    発行日: 1997/10/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
  • 向仲 顯
    1997 年4 巻4 号 p. 3-16
    発行日: 1997/10/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    本論文は, 動詞と主体の属性を用いて, 複文中の連接関係を解析するモデルを作成し, 評価した結果を述べる. 複文中の連接関係の関係的意味は, 接続詞, 助詞等の接続の表現だけでは決まらず, 曖昧性がある. 例えば, 助詞「て」による連接関係には, 「時間的継起」のほかに「方法」, 「付帯状態」, 「理由」, 「目的」, 「並列」などがある. これらの関係的意味は, 従属節や主節の述語の表している事象の意味タイプ, およびその組み合わせによって決まってくる. 従って, 動詞と名詞の意味的関係を表すために, 動詞と名詞の意味分類を用いた格パターンがあると同様に, 従属節と主節の連接関係にも, 各々の節を構成する動詞と主体の属性を用いた連接関係パターンが存在すると考えることができる. 本論文のモデルでは, 従属節と主節の, 動詞と主体の属性を用いて, 連接関係の関係的意味を推定する. 動詞の属性として, 意志性, 意味分類, 慣用的表現, ムード・アスペクト・ヴォイス, 主体の属性として, 主節と従属節の主体が同一かどうか, 無生物主体かどうかを用いた. このモデルを, 技術文書に適用した結果, 95%の文が正しく解析できた.
  • as exemplified in Japanese-to-English Machine Translation
    Kentaro Ogura, Francis Bond, Satoru Ikehara
    1997 年4 巻4 号 p. 17-39
    発行日: 1997/10/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    This paper proposes a new method for ordering English adverbs.First, we propose a classification of adverbs for English adverb generation.Adverbs are classified into 41 classes by grammatical function (adjuncts, subjuncts, disjuncts and conjuncts), meaning (process, space, time etc.) and their default positions in sentences (initial, medial, end, pre, and post). Then a method to order English adverbs correctly is described, using the proposed adverb classification and principles of word ordering for adverbs (principles of ordering between adverbs and other sentence constituents and principles of ordering between adverbs). In particular we give detailed rules for deciding precedence when two adverbs have the same default position. Exceptions to the default adverb generating process are also described. Finally, the proposed method is examined in three experiments from the point of view of Japanese-to-English machine translation. The first experiment focuses on aspects of various types of adverbs and a comparison of the proposed method and the previous method. The second experiment focuses on aspects of quantitative coverage, and the third looks at aspects of practical use. The results show an accuracy of 97% or more in all experiments which highlights the efficiency of the proposed method. The third experiment, in particular, with an accuracy of 99%, confirms that the proposed method is effective in practical applications.
  • 大石 亨, 松本 裕治
    1997 年4 巻4 号 p. 41-60
    発行日: 1997/10/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    日本語のアスペクトの研究は, 継続相, 完成相というような分類とそれぞれの意味を記述していく段階から, 副詞的成分などの関わりを含め, アスペクト的な意味の決まり方のプロセスを整理する方向へと発展してきている. 本稿では, アスペクト形式や副詞句の意味を時間軸におけるズーミングや焦点化といった認知的プロセスを表示するものとしてとらえ, 動詞句の意味に対する動的な操作であると考える. その上で, 動詞句の意味をコーパスに現れた表層表現から推定し, 素性構造として表現する. 実験の結果得られた動詞句の分類を評価するために, 最も基本的なアスペクトの形態である「シテイル」形の意味を自動的に決定する処理を行なった. 200文における正解率は71%であった. これらの情報は, 動詞句のアスペクト的な意味のあり方の類型を与えるだけではなく, 文間の関係をとらえる際の手がかりを提供するものであると考える.
  • 因果関係を表す接続詞の場合
    西澤 信一郎, 中川 裕志
    1997 年4 巻4 号 p. 61-72
    発行日: 1997/10/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    日本語の談話理解を考える際には, 文脈, すなわち「会話の流れ」を把握する必要がある. 一般的に日本語では, 「会話の流れ」を明示する語として, 順接・逆接・話題の転換・因果性, などを表す接続 (助) 詞が用いられることが多い. これらの語は・スケジュール設定など何らかの話題・目的が存在する会話だけではなく, 雑談などの場合でも, 聞き手が「会話の流れ」を把握するために利用しているものと考えられる. 本技術資料では, 「だって」や「から」などの接続表現によって, 因果関係の前件および後件の関係が談話中で明示されている場合を対象とし, そのような因果関係が談話中で示す特徴について検討する. この検討から, いくつかの観察結果が得られるが, それについて自由会話コーパスを用いた検討を行ない, 実際にそのような特徴が成立することを確認した. この結果は, 接続表現に依存する前件と後件の順序関係, および前件と後件の隣接性という2項目にまとめることができ, 機械的処理による談話理解への足掛かりと考えられる.
  • 北 研二, 福井 義和, 永田 昌明, 森元 逞
    1997 年4 巻4 号 p. 73-85
    発行日: 1997/10/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    コーパスに基づく確率的言語モデルとして, 従来は主に語彙統語論的なモデルが扱われてきた. 我々は, より高次の言語情報である対話に対する確率的モデルを, コーパスから自動的に生成するための研究を行った. 本研究で用いたコーパスは, ATR対話データベース中の「国際会議参加登録」に関する対話データであり, 各発話文には, 発話者のラベルおよび陳述・命令・約束などの発話行為タイプが付与されている. 本技術資料では, これらのコーパスから, 2種類の方法を用いて, 確率的な対話モデルを生成する. まず初めに, エルゴードHMM (Hidden Markov Model) を用いて, コーパス中の話者ラベルおよび発話行為タイプの系列をモデル化した. 次に, ALERGIAアルゴリズムと呼ばれる, 状態マージング手法に基づいた学習アルゴリズムを用いて, 話者ラベルおよび発話行為タイプの系列をモデル化した. エルゴードHMMの場合には, 確率モデルの学習に先立ち, モデルの状態数をあらかじめ決めておく必要があるが, ALERGIAアルゴリズムでは, 状態の統合化を繰り返すことにより, 最適な状態数を持つモデルを自動的に構成することが可能である. エルゴードHMMあるいはALERGIAアルゴリズムを用いることにより, 話者の交替や質問・応答・確認といった会話の基本的な構造を確率・統計的にモデル化することができた. また, 得られた確率的対話モデルを, 情報理論的な観点から評価した.
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