背景:仕事や職業で強いストレスを感じている労働者は全体の6 割弱で,人間関係を含めて仕事上の問題が心理社会的因子となっている.
目的:現実面では栄養・食生活を始めとするライフスタイル要因が複雑に関与しているため,抑うつとの関連を調べた.
方法:男性技術職労働者153 名を対象に抑うつ検査CES-D と食事調査を実施した.CES-D得点で「抑うつ」群,「抑うつ傾向あり」群,「抑うつ傾向なし」群の3 群に分け,抑うつと血圧,血液生化学検査値および食事摂取状況との関連を調べた.
結果:年齢に有意差があり,CES-D 高得点群では血液中のヘモグロビン値とヘマトクリット値が有意に高く,クリプトキサンチン,カルシウム,果実類,乳類の摂取量が有意に少なかった.
結論:横断研究の結果,CES-D 高得点群では果実類と乳類の摂取量が有意に少なかった.
摂取された栄養素が相互に作用していることを考えると,今後は単一の食品ではなく,食事パターンの面から調査・解析したい.
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