関東都市及び農業地域に位置する河川において,亜酸化窒素 (N
2O) の溶存態濃度及び大気中への放出フラックスを測定し,N
2O 生成への影響因子を把握した.溶存 N
2O 濃度は,特に河川中硝酸性窒素が 20 mgN/L 前後の高濃度で検出された河川にて,最高で 20.3 μgN/L もの高い濃度が検出された.本河川における8年前の調査では有機物濃度が N
2O 生成に大きく影響していたのに対し,水質の改善に伴い,硝酸性窒素が梛艮因子となっていた.都市域の同程度の硝酸性窒素濃度の河川問では有機物濃度が高く溶存酸素濃度の低くなっている河川において他河川に比べ N
2O 濃度が高くなっていた.現場の水及び底泥を用いたバッチ試験においても,硝酸性窒素と有機物濃度の両者が高い場合に,N
2O 生成が顕著であり,これらが N
2O 生成の重要因子と考えられた.
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