産業遺産や現在も供用下にある歴史的土木構造物に対する関心が高まりを見せている.これらの資産をまちづくりや地域活性化の視点から活用する動きもある.社会資本の老朽化に伴う長寿命化や耐震化対策の中で,構造物として求められる本来の機能を維持とともに,歴史的,文化的価値を継承するための保全は,供用下にある歴史的土木構造物に対して,大きな課題となりつつある.
本文では,世界遺産および重要文化財に指定された供用下にある土木構造物を対象として,歴史的土木構造物の評価と保全に関する調査を行った.得られた調査結果を相互に比較・分析をすることによって,供用下にある歴史的土木構造物の価値および保全について考察を行った.
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