我が国の主要都市では昭和30年代から50年代にかけて数多くの地下街が建設された.こうした地下街の耐震性強化については,一部の先進的な地下街を除いて,従来,殆ど議論されてこなかった.本報告は,こうした状況の中,(財)都市みらい推進機構内に設置された地下街耐震に関する研究会
[1](筆者が座長)で調査・整理した内容を報告するものである(なお,本調査研究は国土交通省都市・地域整備局からの依頼を受けて行われたものであり,結果の発表についても同担当課から了解を得ている).
既設の地下街には「建築基準法に基づいて設計されたもの」と「鉄道施設として土木系の基準によって設計されたもの」とが存在することが明らかとなり,今後ともこの二つの考え方を尊重して取り組むことが必要で,本調査でその際の方法論を整理することができた.
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