介護施設に入所している高齢者(介護施設高齢者)の体動とバイタルサイ(心拍変動)を圧電型センサーによって非接触で記録した。高齢者はベッド上において無拘束状態で終夜睡眠を行った。覚醒と睡眠の段階(浅い睡眠,深い睡眠,REM)を区分するために,心拍データをPenzelら(2003)により提案された方法を基にして自動的解析された。本研究は, 個人差を除き覚醒と睡眠段階の評価するために覚醒と睡眠の特徴パラメーター(Z-Score)を用いて, Penzelらの睡眠評価法の改善を試みた。覚醒と睡眠段階は介護施設と在宅の高齢者間について比較した。2種の高齢者(介護施設高齢者と在宅の健常高齢者)について,睡眠変数(睡眠時間,睡眠効率,睡眠潜時,睡眠段階出現率,深睡眠と中途覚醒回数)が計測・比較された。以下の結果を得た。
(1)介護施設高齢者の平均睡眠時間は自宅の高齢者より60%有意に長かった。
(2)介護施設高齢者は在宅の健常高齢者よりも, REM睡眠の出現率が高かった。介護施設高齢者は,睡眠の質が低かった。
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