2011年3月11日に発災した東日本大震災の直後,避難所で多くの人が寒さによって亡くなったが,その寒さを防ぐために段ボールベッドは考案された。その後,長期間にわたり避難所の床に寝ることは様々な健康被害を引き起こすことがわかり, 避難所をベッド化する活動を開始した。段ボール会社は全国に多数所在しており,短期間に雑魚寝を解消できるのが段ボールベッドの利点である。しかし,避難所への導入は膨大な作業であり難易度が高い。そこで,事前に導入手順の検討を行ったうえで,行政と「段ボールベッドに関する防災協定」を締結することで全国的に導入が可能となった。
避難所は,本来は安全な場所であるはずであるが,二次的な健康被害で亡くなる被災者は未だゼロになっていない。長期化する避難生活に於いても健康を維持するためには,段ボールベッドによる雑魚寝の解消だけでは不十分であり,加えて食事やトイレなど更なる生活環境の改善が必要である。そこで世界的な先進事例であり,災害関連死はゼロとされるイタリアの災害支援を参考にして,トイレ・キッチン・ベッドを 48 時間以内に避難所に届ける「T K B48」を目標に,災害関連死ゼロを実現していくことが求められる。
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