1.油艙船船艙内に於ける如く、石油系の瓦斯の爆發の危険に對しては、現今よき検出方法が不備である爲に、當業者が甚困惑しつゝある事情を述べる。2.ガソリン瓦斯の光に對する屈折率を測定して、甚大なる屈折率の値を得た。此物理的性質を利用し、操作簡単なる土井式屈折計を用ふれば、空気中に混入するガソリン瓦斯の容積比に於て1/10,000迄の微量をも容易に検出可能なる事實を指摘する。3.市井販賣のガソリン5種、原油3種を取り、其各に就き空気との種々の濃度の混合気體を作り、是等の濃度を屈折計によりて讀むと同時に一々爆發試験を行ひ、各試料に就て爆發範圍を決定した。4.屈折計讀みによる爆發範圍を容積比爆發範圍に換算する方法を示し、且是等の値を文献と比較して誤なきを確めた。5.如上の結果より、石油系爆發瓦斯の危険防止の手段として、屈折率測定の方法が極めて鋭敏且合理的である事を結論し、併せて實用上の考察を述べる。
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