獣医情報科学雑誌
Online ISSN : 1884-5614
Print ISSN : 0912-8913
ISSN-L : 0912-8913
1989 巻, 23 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 小河 孝, 畠山 英夫
    1989 年1989 巻23 号 p. 1-13
    発行日: 1989/12/20
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    牛流行熱, イバラキ病及びアカバネ病ウイルスに対する中和抗体価の全国調査を1986年以降実施し, 86, 87年に引き続いて88, 89年の調査結果を集計し, データベースを作成した。また, その中の牛流行熱について, 4年間の抗体調査成績と88年秋に発生した牛流行熱の調査報告をまとめ, 疫学的解析を行なった。86, 87年の6月期には, 前年に予防液を接種された母牛由来の移行抗体が認められた。しかし, 8, 9, 11月期には, それが時間の経過とともに減衰する形をとった。いっぽう, 88年秋に牛流行熱が九州地方に発生した。9月期に抗体価陰性の牛が11月期には陽性に転じ, その流行を裏付けた。さらに, 89年は再び非流行年の形にもどった。しかし, 高知県では, 発生がなかったが, 9, 11月期に不顕性感染と思われる抗体陽性牛が出現し, 89年にも持続した。このことから牛流行熱の不顕性感染の形による小流行の存在が示唆された。
  • 谷 千賀子, 香本 穎利, 近藤 寧子, 吉浦 尚子, 溝本 朋子
    1989 年1989 巻23 号 p. 15-18
    発行日: 1989/12/20
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    乳牛の血液生化学成分の健康値範囲を知る目的で, 千葉, 山武, 安房地区家畜診療所および家畜臨床研修所管内に飼養されているホルスタイン種搾乳牛120頭の血液成分22項目をビデオケムを用いて測定した。期間は, 1988年1月から12月までの1年間である。その結果BUN, Ca, iP, Mg, GOT, CPK, NEFA, K, NaおよびClについては, ほぼ成書と同様の数値であった。T.Chol, γ-GTPおよびALPは, 成書と多少異なる成績であったが, これは, 測定法の違いが大きな原因であると思われた。HDL-C, β-LIP, 総脂質, LAP, Ch-EおよびGLDHについては, 牛の報告例も少なく, 今後検討する必要があると思われた。以上のことから, 日常, 検査している測定機器および測定法における, 各項目の健康値範囲を把握しておく必要があることを確認した。
  • 鈴木 慶信, 香本 穎利, 吉浦 信幸, 加藤 康宏
    1989 年1989 巻23 号 p. 19-25
    発行日: 1989/12/20
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    肝臓機能障害を伴った産後疾病牛の治療に対して, 肝臓機能改善作用があると報告されているNKK-100 (フジックス/イソチオール) を併用した61頭と, ウルソー20 (5%ウルソデスオキシコール酸) を併用した10頭について調査し, NKK-100の野外臨床での有用性を検討した。また、われわれが前の研究で作成した計量診断法を応用した肝臓脂肪沈着の診断が, 野外治療試験の効果判定にも応用可能であるかどうかも併せて検討した。
    NKK-100投与群では, 投与終了時で有意に改善された所見はNEFA, GOTおよびT.Bilであり, 投与終了後2週時になって有意に改善された所見はT.Chol, リン脂質, HDL-Chol, Glu, T.GおよびLDHであった。ウルソー20投与群では, 投与終了時でT.Bil, 投与終了後2週時でNEFA, T.chol, リン肪質およびHDL-Cholが有意に改善された。肝臓脂肪沈着陽性と診断される確率は, NKK-100投与群では, 投与直前で80%台, 投与終了時で40%台, 投与終了後2週時まで20%台と有意に下降した。ウルソー20投与群では, 投与直前で80%台, 投与終了時で70%弱, 投与終了後2週時で20%台に下降した。
    NKK-100投与群では, NKK-100の代謝産物と思われる硫黄臭が多くの試験牛の尿にみられ, そのうちの少数は乳汁にもみられたが, これら硫黄臭は投与終了後すみやかに消失した。
    以上, 肝臓機能障害を伴った産後疾病牛の治療にNKK-100を併用すると, ウルソー20を併用するよりも早期に肝臓脂肪沈着の消退が開始して肝臓機能と臨床症状を改善することが示唆されたことから, NKK-100は投与中の尿や乳汗への硫黄臭移行に留意して使用すれば, 野外治療に有用であると考えられた。また, 計量診断法を応用した肝臓脂肪沈着の診断は, 肝臓機能障害に対する治療試験の効果判定にも利用可能であることが判明した。
  • 滝沢 隆安
    1989 年1989 巻23 号 p. 27-32
    発行日: 1989/12/20
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
  • 1989 年1989 巻23 号 p. 33
    発行日: 1989/12/20
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
  • 1989 年1989 巻23 号 p. 39
    発行日: 1989年
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
feedback
Top