獣医情報科学雑誌
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1991 巻, 27 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • -発生の時間的, 空間的集積性と予防液接種率との関連
    小河 孝, 畠山 英夫
    1991 年1991 巻27 号 p. 1-9
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    イバラキ病および牛流行熱の発生率および予防液接種率に関する疫学指標統計データベースを基本に, 両ウイルスに対する中和抗体調査成績をあわせて検討材料とし, 疫学の方法論のひとつである後向き研究を用い, 1953年までさかのぼって発生の時間的, 空間的集積性と予防液接種率との疫学的関連要因の解析を行なった。イバラキ病では, 不顕性感染の存在確認と同ウイルスに対するワクチン接種率の的確な水準維持が, 今後の発生予測と再発防止対策につながる接点と考えられた。いっぽう, 牛流行熱では, 発生原因となる感染に関与するベクターは国外から侵入してくる考えられているが, 一度入った場合に流行が起こるか否かの分岐点は, 感受性母集団における免疫水準の程度によるものと思われた。したがって, 本病に対する防疫対策は, 感染に関するベクターに暴露される危険のある地域においては, ワクチン接種率の一定水準確保が常に重要である。
  • 吉浦 信幸, 水谷 英一郎
    1991 年1991 巻27 号 p. 11-15
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    さまざまな飼養環境下での, 乳牛の経済動物としての平均余命を調べ, これによってさまざまな飼養環境下で飼育される乳牛の経済的寿命を把握することを目的に研究を行った。
    昭和63年9月作成の家畜共済加入台帳と, 1年後の平成元年9月の台帳から, 1年間に淘汰された個体を調べ, そのデータを基に生命表を作成した。その生命表から算出された平均余命は, 1歳で3.9歳, 2歳で3.4歳, 5歳で2.1歳, 10歳で1.4歳であった。また, 乳牛の飼養環境の指標として平均余命を用いる場合には, 育成時期の1歳時の平均余命を用いるよりも, 初産を分娩する2歳時の平均余命を用いるほうが望ましいと思われた。
    地域別, 飼養頭数規模別, 更新率, 放牧形態, 牛群検定の実施などにより牛群を分類し, それぞれの牛群で生命表を作成した。得られた2歳時の平均余命を比較した結果, 地域別では, 印旛地区が2.9歳で富里地区の3.9歳に比べ, 有意に短かった。飼養頭数規模が大きくなるほど, 短い傾向にあった。更新率は, 高くなるほど短く, 15%以下の農家と40%以上の農家の牛では, 3.5歳の差があった。放牧と舎飼では差はなかった。牛群検定実施農家でやや短い傾向があった。
    淘汰の理由と平均余命の関連では, 3号廃用と5号廃用が余命に大きく関与していると思われた。
  • 近藤 寧子, 吉浦 尚子, 溝本 朋子, 香本 頴利
    1991 年1991 巻27 号 p. 17-20
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    血清シアル酸は炎症性疾患の診断や病勢の観察に用いられている。しかし, 飼養管理などにより平均値に差がみられるといわれている。そのため, 4農家88頭の成乳牛について血清シアル酸を測定し, 検討を行った。その結果, 健康値範囲は45.2±14.0mg/dlでほぼ成書と同じであるが, やや低い傾向がみられた。年齢によるものは, 1歳以上2歳未満は44.7±12.5mg/dl, 2歳以上3歳未満は44.7±13.9, 3歳以上4歳未満; 45.1±15.5mg/dl, 4歳以上5歳未満は47.9±15.3mg/dl, 5歳以上は44.2±12.9mg/dlであった。成乳牛のシアル酸は地域により, 健康値に多少違いがみられることから, 日常の検査で利用するためにはそれぞれのフィールドで健康値を求める必要があると思われる。
  • 金子 雅史, 中山 博, 五十嵐 章之, 桑原 吉史, 諏訪 富雄
    1991 年1991 巻27 号 p. 21-25
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    ミニプタの適正な給餌量を設定するため, 体型に及ぼす給餌量の影響について検討した。動物繁殖研究所で生産したクラウンミニプタ, 雌8, 雄5, 合計13頭について, 3~10カ月齢まで体重および14部位の体尺値を測定した。供試ブタは, 性および給餌量 (700g/dayおよび1000g/day) により4群に分けた。これらの成績を使用し, 相関行列から出発した主分分析を行ない, 各群のサンプル得点を比較した。その結果, 雌の1000g/day給餌群において肥満が, 雄の700g/day給餌群において削痩が認められた。この結果から, ミニブタの体型に及ぼす給餌量の影響は雌雄で異なることが明らかとなった。したがって, ミニブタの給餌量は, 雌雄それぞれ別々に設定する必要がある。
  • 高橋 正弘, 村上 賢二, 金子 精一
    1991 年1991 巻27 号 p. 27-33
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    神奈川県食品衛生課編「食中毒発生一覧表」に記載されている食中毒事件の発生日, 発生件数および患者数ならびに判別分析で求められた食中毒発生予測式から算出される予測値を供試し, 食中毒発生日の特異性を検討した。検討した期間は1979年から1988年の10年間で, 各年6月から10月の5ケ月間である。
    1) 食中毒発生の特異日は, 発生件数の平均値および変動係数によれば9月4日, 9月8日, 9月7日, 9月13日および8月26日であった。
    2) また, 患者数では9月4日, 9月13日, 8月5日, 8月25日および7月29日であった。
    3) 以上の結果から, 食中毒発生件数・患者数の特異日は9月上旬に集積性が認められた。
    4) 発生件数・患者数の曜日別発生頻度は, 統計的検定の結果, 日曜日, 金曜日, 火曜日に高く, 水曜日に有意に低いことがわかった。
    5) 予測値においては, 曜日間に有意差は認められなかった。
    6) 食中毒発生ありと予測された期間は, 予測値の日別平均値によれば, 7月14日から7月17日, 7月23日から9月17日の期間であって, そのうち, 特に予測値の高い期間は8月20日から23日の4日間であった。
    このように, 環境要因に基づく予測と実際の発生頻度にずれが生じているのは, 食習慣等の社会的要因や調理従事者等の人為的影響が食中毒発生に深く関与しているものと考えられる。そこで, 環境要因の他に発生件数・患者数の日別・曜日別平均値さらには日別平均予測値をダミー変数とし採用すれば, 食中毒発生予測式の精度の向上が可能と考えられる。また, 行政施策の用途によっては, 月ごとに食中毒発生予測式を構築する必要性も考えられる。
  • 門平 睦代
    1991 年1991 巻27 号 p. 35-36
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
  • 滝沢 隆安
    1991 年1991 巻27 号 p. 37-41
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
  • 小河 孝
    1991 年1991 巻27 号 p. 42
    発行日: 1991/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
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