日本海洋学会誌
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32 巻, 1 号
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  • 岩田 憲幸
    1976 年 32 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 1976/02/28
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    海底傾度が一様な直線海岸を考える. 砕波線を境にして海域を沖側と岸側とに分ける. 一般にwave setupや波のエネルギー, 沿岸流及び離岸流は岸からの距離のみに関係する平均量とそれに重なった2次の量から成り立っているが, 沖側からの波が海岸に直角に入射する場合には定常的な沿岸流は消滅してセル状の離岸流のみが残る. この流れ関数は岸側では合流超幾何関数で, 沖側では変形ベッセル関数で表現される.
    砕波線上で離岸流の速度が一致するという条件から離岸流の間隔を固有値として与える方程式が得られるがこの方程式は水平拡散を無視しているため解を持たない. 水平拡散を考慮すると方程式の階数があがり数学的に複雑となるのでここでは沖側の解と岸側の解とを補間して離岸流の間隔を求めた.
  • Jae Min HYUN
    1976 年 32 巻 1 号 p. 11-20
    発行日: 1976/02/28
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    N (z) 断面が変わり点をもつような密度成層をした深海中の, 線型化された内部波の分散関係を解析的に研究した. ここでは特に, 全周波数に対して, ω-k関係を得ることに重点をおいた. 無次元の波数を大きくとる (κS>>1) ことによって, two variable expansionと, limit pmcess expansionの組合わせで分散関係を支配するSturm-Liouvilleの方程式を処理した. この二つのexpansion schemeを合致させる条件から, 望みのω-κ関係がえられる. この方法の計算例は, 厳密解および多層マトリックス計算モデルによりえられた結果によく一致することをしめしている.
  • 今里 哲久
    1976 年 32 巻 1 号 p. 21-32
    発行日: 1976/02/28
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    風洞水槽実験とびわ湖での観測結果をもとにして, 風波の発達過程を検討し, 風波のパワースペクトルS (f) とスロープスペクトル∅ (f) の特徴について述べる. 風波の発達過程は, “initial-wavelets (初期波)”, “transition stage”, “sea-waves (風浪)” の3段階に分けられる. 水槽実験では, initial-waveletsからtransition stageへの移行は, スペクトルピークが6.40×10-4k2cm2・sec (k;波数) の線に達するか, または∅maxが6.40×10-4secより大きくなった時に生ずる. 風浪域ではスペクトルピークの成分波が最も急峻であり, ピークは1.02×102f-6cm2・secに沿って発達し, 33.3f-4cm2・secに達した後は, この線に沿って発達する. このf-4の線は∅ (f) が一定値となることを意味している. 風波の非線形性が風波の発達と共に強くなることを示唆すると共に, 風から波への運動量フラックスは全応力の4~9%であることを示す.
  • (I) 漸近解析
    市榮 譽
    1976 年 32 巻 1 号 p. 33-47
    発行日: 1976/02/28
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ベータ平面上で輸送量流線函数を順圧渦度方程式から一点に集中した風の歪力のトルクが北の方向に動く場合について解いた. 解のフーリエ積分には漸近解析を用いた. 前面 (点源の北半面) では流線函数はXを無次元の東向き座標とすると0 (|X|-5) の如く行動する. 後面では流線函数は西とほぼ南南東の間のくさび型の区域でO (|X|-1/2) の如く残りの区域では0 (|X|-5) の如く又, 西及び南南東の境界では夫々O (|X|-5/3) 及びO (|X|-1/3) の如く行動する. 東西方向の非対称性は惑星波の進行の非対称性によりそのため又西後半部には流線は波状となる, 摩擦は南から南南西の区域で最も強く流線函数を減じ西方向では殆んど利かない. 発散の影響は西後半部の波型を変えるが流線函数の大きさは変えない. 日本南岸にからまでの間に観測された日平均水面の異常は日本のはるか東を進む台風の後流の影響でないかと考えられる.
  • 松永 勝彦
    1976 年 32 巻 1 号 p. 48-50
    発行日: 1976/02/28
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    およそ20年前と最近漁獲されたメヌケの水銀濃度を測定することにより, 数十年前から現在に至る海水中の水銀濃度の変動を調べた. 過去と現在のメヌケの水銀値は分析誤差範囲内でよく一致し, 海洋の水銀濃度は過去数十年を通し変動していないことが結論づけられた.
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