-
北島 啓資, 出町 一樹, 青木 崇倫, 生越 友樹, 山岸 忠明, 中本 義章
セッションID: A01
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
パラ位連結環状ホスト分子"Pillar[5]arene"誘導体の運動性について、温度変化NMRから考察した。
抄録全体を表示
-
瀬高 渉, 山口 健太郎
セッションID: A02
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
大規模かご型フレーム骨格の内部にπ電子系が架橋した分子は,結晶中でもπ電子系が1軸回転可能な分子ジャイロコマとしての機能が期待される。今回,回転子をフェニレンとし,フレーム骨格としてアルケニル鎖またはアルキル鎖とした新規な分子ジャイロコマの合成とこれらの結晶中における構造とフェニレンの回転運動の詳細を明らかにした。その重水素誘導体の固体重水素NMRから,室温以下で,フェニレンは180°反転運動するが,室温以上では連続回転してベンゼン環の結晶内の平衡位置が乱れることが示された。連続回転している単結晶の複屈折が回転運動の程度に依存して連続的に大きく変化する光学物性を初めて見出した。
抄録全体を表示
-
津江 広人, 小野 浩平, 時田 智, 石橋 孝一, 宮田 和志, 高橋 大輔, 高橋 弘樹, 田村 類
セッションID: A03
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
我々は、新規機能性ホスト分子の構築を目的として,カリックスアレーンのメチレン基をアミノ基に置換したアザカリックスアレーン類について研究を行っている.今回,環状五量体を合成し,その気体吸蔵挙動を評価したところ,同化合物の微粉末結晶が,大気の主要な四成分のうち二酸化炭素をSTP条件下で選択的に吸蔵することが明らかになった.本講演では,環状五量体の合成,結晶構造,およびSTP条件下での気体吸蔵挙動について報告する予定である.
抄録全体を表示
-
山中 正道, 足立 博文, 豊田 直晃, 小林 健二
セッションID: A04
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
キャビタンド分子に配位部位としてピリジルエチニル基、水素結合部位としてウレイド基という2種類の異なる置換基を導入し非対称化した化合物を合成し、金属錯体との自己集合によるハイブリッド型超分子カプセルの形成を達成した。ウレイド部位のアニオン認識を伴ったゲスト包接が観測され、さらに包接されたゲスト分子の交換速度が金属錯体の配位子に大きく影響されることを明らかとした。
抄録全体を表示
-
根矢 三郎, 松ヶ枝 隆, 鈴木 優章, 星野 忠次
セッションID: A05
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
これまでのポルフィリン異性体は、ピロール環とメゾ位炭素の並べ替えだった。今回合成したピリコロールは、コロールのピロール環が一個ピリジン環で置換されたものだが、構成原子数の観点からポルフィリン異性体と見なすことができる。すなわち、メゾ位炭素をピロール環の中に組み込むという新しいアプローチである。さらに、その内部空孔はコロール並みに小さいながらも、ポルフィリンと同じ価数の金属を安定化できると期待される。
抄録全体を表示
-
山下 健一, 片岡 和幸, 竹内 翔一, 浅野 素子, 杉浦 健一
セッションID: A06
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
本研究では、合成が容易な
meso-ブロモポルフィリンを出発化合物とした無触媒求核置換反応によるアジド基、アミノ基の高効率導入法を開発した。この手法により、従来法では合成が困難な種々の窒素系官能基を含むポルフィリンの合成を達成した。発表では、詳細な反応条件、構造決定、反応機構と、得られたポルフィリンの更なる官能基変換について報告する。
抄録全体を表示
-
前田 千尋, 吉岡 直樹, 大須賀 篤弘
セッションID: A07
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
ブタジインで架橋したカルバゾール二量体に対して環化反応を行うことで、N置換ピロール架橋、及びチオフェン架橋カルバゾールニ量体を合成した。これらは新規ベンゾ縮環型ポルフィリノイドとみなすことができる。ピロール架橋のものは非常に高い量子収率を示した。一方チオフェン架橋のものでは酸化することで近赤外領域に達する吸収を示すことを明らかにした。
抄録全体を表示
-
羽毛田 洋平, 前田 大光
セッションID: A08
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
π共役系非環状型ジピロリルジケトンホウ素錯体はピロール環反転をともなう動的アニオン会合挙動の発現および電子状態の制御が可能である。その非環状型レセプター多量体を新たに合成し、複数のピロール環反転をアニオンにより制御した多様ならせん構造の形成、および物性変調を実現した。さらに、アニオンをテンプレートとした分子内カップリング反応により合成した環状分子は、アニオンに対する異常に高い会合能を示した。
抄録全体を表示
-
長谷川 裕希, 山村 正樹, 秋根 茂久, 鍋島 達弥
セッションID: A09
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
テルピリジン白金(II)錯体とピリジン配位子からなるクレフト型ホストを合成し、これが電子豊富な芳香族化合物をゲストとして強く認識することを我々はすでに見いだしている。本研究では、さらなる認識能の向上を目指し、ジピリドアクリジン白金(II)錯体あるいはテルピリジン白金(II)アセチリド錯体を用いた二種類の新規なクレフト型ホストを合成した。
1H NMRおよびUV-Visタイトレーションの検討から、前者はカテコールなどの電子豊富な芳香族化合物を強く認識することが明らかとなった。一方、後者はアニオン部位を持つ芳香族化合物を強く認識することが明らかとなった。
抄録全体を表示
-
李 稚鴎, 貴志 礼文, 吉沢 道人, 穐田 宗隆
セッションID: A10
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
本研究では、8つのアントラセン環に囲まれた孤立内部空間を有する発光性金属架橋カプセル分子の構築に成功した。2つのアントラセン環をメタフェニレンで連結し、その両末端にピリジン基を導入した二座配位子と二価金属塩(Ni, Pd, Pt, Zn)を4:2の比率で自己集合することで、金属架橋カプセルが選択的に構築した。その同定はNMR、ESI-TOF-MS、X線構造解析によって行った。また、カプセル分子の分光学的性質は金属イオンの種類によって異なることが明らかになった。
抄録全体を表示
-
岩佐 淳司, 孫 慶福, 佐藤 宗太, 藤田 誠
セッションID: A11
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
これまでに二座配位子L
aと二価パラジウムイオンからM
12L
24組成の球状錯体が、自己集合により定量的に得られることを報告している。今回、L
aのかわりにL
bを用いることで、M
24L
48組成の球状錯体の構築に初めて成功した。これら2種類の錯体について、どちらが優位に生成するかを調べるために、L
aとL
bを様々な割合で混合して錯形成を行なった。わずかな混合割合の差(L
a:L
b = 7:3と8:2)を境にして、M
24L
48組成からM
12L
24組成へと構造がスイッチすることがわかった。
抄録全体を表示
-
岩間 世界, ゴナーダ ラジャッシュ, 森 祐子, 高橋 弘樹, 津江 広人, 田村 類
セッションID: A12
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
これまでの研究から、優先富化現象が、ラセミ化合物結晶に分類される数種類のアミノ酸についても適用可能であることが分かってきた。アミノ酸を用いる場合、再結晶で用いる結晶のeeが1~4 %以上である必要があった。本研究では、単独では優先富化現象を示さなかった(DL)-フェニルアラニンのフマル酸との共結晶を、溶媒として水を用いて再結晶したところ効率よく、優先富化現象が誘起されることが判明したので報告する。また、(DL)-ヒスチジンとフマル酸との共結晶も同様に、優先富化現象を示すことが判明したので併せて報告する。
抄録全体を表示
-
古吉 健太, 牧田 佳真, 藤原 眞一, 小川 昭弥
セッションID: A13
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
従来のカプセル分子の多くは基質を包接する空間を提供する機能しか持たず、空孔内に触媒を導入し内部で触媒反応を実現した例はごくわずかしかない。そこで基質選択性を有するカプセル型分子触媒の構築を目的とし、研究を行った。まず、トリス(2-アミノエチル)アミンとシクロトリベラトリレン誘導体からヘミクリプトファンを高収率で合成し、続いて空孔内にVerkade塩基の前駆体を導入した。得られたカプセル分子の構造については1H NMRおよびESI-MSスペクトルにより確認した。
抄録全体を表示
-
栢森 史浩, 阿部 肇, 井上 将彦
セッションID: A14
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
エチニルピリジンオリゴマーに糖テンプレートを連結させ、メタセシス反応によりらせん構造を固定化した。続いて酸を用いて糖テンプレートの除去を試みた。酸処理後で GPC の保持時間が遅くなり、分子のサイズが小さくなったことがうかがえた。また酸処理後のサンプルにおいても、CD 活性は保持された。これより、糖テンプレート除去後もらせん構造のキラリティが保持されたと考えた。
抄録全体を表示
-
大久保 研吾, 林 寛幸, 唐澤 悟, 古賀 登
セッションID: A15
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
我々の研究室ではこれまでC3対称のトリウレア体に疎水性のアルキル基と親水性のエチレングリコール鎖を持つ両親媒性化合物が水溶液中で昇温することにより白濁する下限臨界溶液温度(Lower Critical Solution Temperature: LCST)を有し、優れた温度応答性を示すことを明らかにしている。最近この側鎖に3級アミンを導入した化合物がpHに依存して、LCSTが大きく変化することを見出している。今回3級アミンを持つ種々のトリウレア体を合成し、これらの水溶液中での構造及びpHに依存した集合化挙動について検討したので報告する。
抄録全体を表示
-
中村 純, 奥島 鉄雄, 小野 昇, 細川 清正, 鈴木 健吾, 森 重樹, 山田 容子, 宇野 英満, 小林 長夫
セッションID: A16
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
フリーベースアセナフトポルフィリン類は、吸収・蛍光スペクトルに顕著な違いが見られた。また、蛍光励起スペクトルの測定結果から、アセナフトポルフィリン類は区別できる2種類の光物性を有していることが分かった。この現象を解明するため、ポルフィリンの内部プロトンによる互変異性体に着目し、多方向からのアプローチにより、この現象について考察した。
抄録全体を表示
-
東野 智洋, 三浦 崇宏, 斉藤 尚平, 大須賀 篤弘
セッションID: A17
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
近年、メビウス型ねじれを持つ共役系化合物による4nπメビウス芳香族性が興味を持たれており、盛んに研究がなされているが、(4n+2)πメビウス反芳香族性に関する研究はほとんど進んでいない。今回我々は、置換基の異なる2種類のヘキサフィリン-リン錯体を合成し、その構造をX線結晶構造解析と1H-NMR測定により確認したところ、極めて稀なメビウス反芳香族性を示す化合物であることが明らかとなった。
抄録全体を表示
-
高井 淳朗, グロス クロウド, バーベ ジョン・ミッシェル, 福住 俊一
セッションID: A18
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
トリフェニルアミンを架橋分子とする新規亜鉛ポルフィリン三量体を合成した。ジクロロメタン中、ポルフィリン三量体をRu(III)錯体により電子移動酸化すると、近赤外領域に新たな吸収帯が観測された。濃度依存性がみられたことから、電子移動酸化されたポルフィリン三量体は分子間で二量化していることがわかった。対応する単量体ポルフィリンの二量化に比べ、三量体の錯形成定数は顕著に増大した。これはポルフィリン間で複数のpi結合を生成したためだと考えられる。
抄録全体を表示
-
坂野 豪, 東口 顕士, 松田 建児
セッションID: A19
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
芳香環の二面角に差がある2種類のフェニルピリジンを配位子にもつポルフィリンRh錯体を合成し、ポリフィリンが持つアルキル鎖長を制御することで、配位分子ごとに各々のドメインに分かれた配列構造を形成、STM観察を行うことに成功した。ドメインごとの見かけの高さの差に対して、Weissらによって提唱されたTwo-layer junction modelを適用すると、配位分子の二面角のねじれによる単一分子コンダクタンスの違いが明らかになった。
抄録全体を表示
-
灰野 岳晴, 平井 恵梨, 藤原 好恒, 柏原 孝基
セッションID: A20
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
当研究室では,カリックス[5]アレーンがフラーレンを選択的に強く包接することを報告している。今回我々は、カリックス[5]アレーンとフラーレンの包接を用いてフラーレンをもつポリマーを架橋することにより,物性を制御しようと考えた。フラーレンを含むポリアセチレン1に二つのフラーレン包接部位をもつカリックス[5]アレーン誘導体2を加え,トルエン中でサイズ排除クロマトグラフィーの測定を行った。2を添加すると1の分子量は大きく増加した。このことはフラーレンを側鎖にもつポリマーがホスト2とフラーレン部位の非共有結合により架橋されたことを物語っている。
抄録全体を表示
-
中谷 裕次, 古荘 義雄, 八島 栄次
セッションID: A21
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
両末端にオレフィン部位を持ち、
m-ターフェニル骨格を有する光学活性なアミジンとアキラルなカルボン酸を合成した。それらを有機溶媒中で混合することで定量的に生成した塩橋を介したプレカテナンの閉環反応により、対応する光学活性なカテナンを収率68%で得た。また、pHの変化や金属イオンを添加、除去することでカテナンのマクロサイクル間の塩橋の解離、再形成が完全に制御できることをCD、蛍光測定より確認した。
抄録全体を表示
-
高坂 泰弘, 中薗 和子, 小山 靖人, 高田 十志和
セッションID: A22
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
ジベンゾ-24-クラウン-8-エーテルを輪成分,2級アンモニウム塩を軸成分とするロタキサンについて、クラウンエーテルの空孔と相補的なサイズ・形状の置換基を末端にもつ軸分子から合成したロタキサンの分解特性を評価した.軸末端にシクロヘキシル基を持つロタキサンは不安定で,DMSO中において半減期2.6時間で解離した.軸末端により嵩高いt-ブチル基や4-t-ブチルフェニル基を導入したロタキサンはDMSO中でも安定に構造を維持したが,フッ化テトラブチルアンモニウムを加えてアンモニウム塩部位の対アニオン交換を行うと徐々に解離した.ポリロタキサンネットワークにこの反応系を利用し,通常化学的に安定であるが,フッ化テトラブチルアンモニウムの添加により解架橋し原料高分子を再生するシステムを確立した.
抄録全体を表示
-
杉野 寛佳, 河合 英敏, 梅原 健志, 藤原 憲秀, 鈴木 孝紀
セッションID: A23
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
当研究室で開発されたイミン架橋型ロタキサンは酸性加水分解及び温度変化により環の運動性が制御可能な新規ロタキサンシステムである。本研究ではイミン架橋型ロタキサンの構築及び[2]ロタキサンへの変換に対して、軸・環の構造が与える影響を調査した。また、イミン架橋型ロタキサンの運動制御性をより高次の運動性制御へと展開することを目的に、イミン架橋型ロタキサンユニットを連結した多重ロタキサンの構築を行った。
抄録全体を表示
-
山田 道夫, シュヴァイツァー ダブリュベルン, シゥーネベック フランツィスカ, ディードリッヒ フランソワ
セッションID: A24
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
発表者はこれまで、電子ドナー性置換基と電子アクセプター性置換基から成るクロモフォアがフラーレンに直接結合した、Push-Pull型クロモフォアー[60]フラーレン連結系の構築に成功している。今回、このクロモフォアーフラーレン連結系が熱的に特異な転位反応を起こし、キラルな1,2,9,12-テトラキス付加体へと変換することを見出したので報告する。
抄録全体を表示
-
佐藤 悟, 前田 優, 稲田 浩二, 二川 秀史, 山田 道夫, 溝呂木 直美, 長谷川 正, 土屋 敬広, 赤阪 健, 加藤 立久, Zd ...
セッションID: A25
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
我々は金属内包フラーレンLa@C
82とペンタメチルシクロペンタジエン(Cp*)との反応を行い、付加反応が可逆的かつ位置特異的に進行することを明らかにし、さらに単結晶X線結晶構造解析により誘導体の構造解析に成功した。また、La@C
82Cp*に求電子試薬であるアダマンチリデンカルベン(Ad:)を、La@C
82AdにCp*を付加させることで、異なる置換基を有する金属内包フラーレン誘導体の位置選択的合成を行なった。
抄録全体を表示
-
原野 幸治, 成田 明光, 中村 栄一
セッションID: A26
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
フラーレンに固有の光反応性を利用することにより,五重付加型両親媒性フラーレンからなる二重膜ベシクルの膜透過性制御に成功した.フラーレンベシクル形成後の紫外光照射により,フラーレン膜内において光付加反応が進行し,水に対する膜透過性が減少した.一方で,ベシクル形成前に両親媒性フラーレンを光酸化したのちにベシクルを形成したところ,非照射時より高い水透過性を示す二重膜となることを明らかにした.
抄録全体を表示
-
森中 裕太, 村田 理尚, 村田 靖次郎, 吉川 整, 佐川 尚, 吉川 暹
セッションID: A27
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
当研究室では13員環の開口部をもつフラーレンC
60誘導体を合成し、水素分子を内包させることに成功している。今回、高い溶解性をもつ開口C
60誘導体を新たに合成し、MeMgClとの反応を試みたところ、開口部のカルボニル基への1,2付加が進行することがわかった。さらに、得られたアルコール体は酸性条件下にて渡環反応を起こすことを見出した。合成した新規開口C
60誘導体を用いた有機薄膜太陽電池の特性評価についても報告する。
抄録全体を表示
-
吉本 裕一, 池田 浩, 水野 一彦
セッションID: A28
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
ジアロイルメタナートボロンジフロリドの固体状態における発光特性を検討した. その結果, 固体状態における発光は, モノマー発光だけでなく, エキシマー発光や3分子以上が関与する"多分子励起錯体発光"が存在することが示唆された. さらに, 置換基の嵩高さの違いが, 結晶中での分子間相互作用を変化させ,発光種が変化することが示唆された. また, 興味深いことに固体発光においてメカノクロミズム挙動を観測したので報告する.
抄録全体を表示
-
小林 健二, 小澤 遼太, 蛭海 洋平, 鈴木 健吾, 大沼 大起, 西村 直樹, 与座 健治
セッションID: A29
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
アントラセン誘導体は優れた蛍光発光材料であるが、長時間光に曝されると光二量化や光酸化して蛍光発光特性を失う。また、固体中では、スタッキングにより自己消光し蛍光量子収率の低下をまねく。今回、これら問題の解決法として、(1)アルキルストラップで保護した9,10-ジフェニルアントラセン、(2)動的ホウ酸エステル結合に基づくカプセルに包接されたアントラセンならびに9,10-ビス(フェニルエチニル)アントラセン誘導体、について報告する。
抄録全体を表示
-
務台 俊樹, 生野 秀明, 大川 達也, 友田 晴彦, 荒木 孝二
セッションID: A30
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
分子内水素結合を持つイミダゾピリジン(IP)誘導体は、固体で励起状態プロトン移動(ESIPT)にともなう強い黄色発光を示す(量子収率:0.4)。本発表ではIP骨格に種々の芳香族置換基を導入した6-置換体、8-置換体、6,8-二置換体を合成し、固体発光波長や量子収率に与える影響を検討した。無置換体と比較して、いずれも長波長側に高効率の固体ESIPT発光発光を示した。置換基の種類および置換位置の効果を検討したところ、発光波長はメトキシ<フェニル<エステルの順に、および6-置換体 < 8-置換体 < 6,8-二置換体の順に長波長に現れた。
抄録全体を表示
-
一杉 俊平, 中西 和嘉, 嶋田 裕亮, ピスカリョーバ アンナ, ? 秀雄, 北 弘志, 磯部 寛之
セッションID: A31
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
二つのアントラセンを二本のジシラニル基により架橋した分子,ジシラニル二重架橋ビスアントラセン(
SiDPBA)を設計・合成し,X線結晶構造解析により階段状の分子構造を明らかにした.また,
SiDPBAをキャリア輸送層に用いた緑色りん光OLEDデバイスを作成し,その両極性キャリア輸送能と,特に高い電子輸送能を見出した.さらに,この高いキャリア輸送能がラジカルイオンにおける電荷とスピンの非局在化に由来することを理論計算により明らかにした.
抄録全体を表示
-
岡本 巌, 高橋 優介, 澤村 美香, 森田 延嘉, 田村 修, 桝 飛雄真, 東屋 功, 影近 弘之, 松村 実生, 棚谷 綾
セッションID: B01
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
ベンズアニリドをはじめとする芳香族アミドは、窒素原子をメチル化することで優先コンフォメーションをtrans型からcis型へと変えることができる。我々は
N,
N-ジアリール型芳香族アミドに
p-キノン-ヒドロキノン系を組み込むことで、酸化還元反応によって優先コンフォメーションを入れ替えるものをデザイン・合成した。これらの酸化還元応答型分子としての立体特性と、光学的特性を応答とした場合の挙動を報告する。
抄録全体を表示
-
加藤 卓, 加味根 丈主, 佐藤 正昭
セッションID: B02
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
本研究では、図に示した長いπ共役系を有する化合物である「FMMHF」と「FHHMF」の合成を行い、その酸化状態の検討を行った。結果として、FMMHFでは両端のフェロセン間で相互作用が見られ、FHHMFでは相互作用は見られなかった。これはオリゴチオフェン部の置換基の違いにより、酸化種の広がりが異なるためだと考えられる。このことは情報伝達可能な化合物の合成を検討する上で、置換基への配慮は重要であることを示している。
抄録全体を表示
-
武隈 真一, 山本 真奈美
セッションID: B03
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
演題のアズレン骨格を有する新しい拡張パイ電子系炭化水素化合物
6を合成したところ,
6が極めて強力な電子供与性を示すことを認めた.
6を酸に溶解すると,水素を発生させながら,定量的に対応するジカルボカチオン化合物に化学変換されることは,注目に値する.得られたジカルボカチオン化合物は,亜鉛還元により,定量的に
6に戻る.本討論会では,演題の化合物
6の合成とスペクトル特性,結晶構造,電気化学的特性に加えて分子機能についても詳述したい.
抄録全体を表示
-
太田 英輔, 佐藤 寛泰, 安藤 伸治, 小阪 敦子, 砂 有紀, 福島 孝典, 橋爪 大輔, 相田 卓三
セッションID: B04
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
オルトフェニレンは、多数のベンゼン環をオルト位で連結するという基本的な骨格でありながら、合成が非常に困難であるためその研究例はほとんどない。我々は、オルトフェニレン多量体の合成法を確立することに初めて成功し、その構造と性質に関する研究を展開している。本講演ではその詳細について議論する。
抄録全体を表示
-
伊藤 央貴, 小川 智, 吉本 則之, 村岡 宏樹, 嶋田 和明
セッションID: B05
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
本研究では、有機電界効果トランジスタの半導体層に使用することを目的とした新規pi共役型平面分子として、3種類のチオフェン誘導体をコアとし、ウイングとして置換基を持つスチリル基を導入した分子群を選定した。これらの分子群の紫外可視吸収、酸化還元特性を測定し、その後、半導体特性を評価することで、置換基に長鎖アルキル基を導入した分子群において、ホール移動度が向上する傾向を確認した。
抄録全体を表示
-
藤田 智博, 西田 純一, 藤崎 好英, 時任 静士, 山下 敬郎
セッションID: B06
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
ジアザボロール環はジアミンとボロン酸により簡便に合成することができ、またホウ素の空p軌道を利用することにより共役系の拡張・分子の平面性の向上を狙うことができる。今回の報告ではn型の半導体特性を得るために、中心骨格にアクセプター性であるキノンを取り入れた新規化合物を設計・合成し、物性評価を行った。高い分子配列や結晶性を示すため、結果として高い移動度を持つn型半導体特性を持つことが分かった。
抄録全体を表示
-
中野 幸司, 茶山 奈津子, 野崎 京子
セッションID: B07
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
銅試薬をもちいて,ジベンゾ[d,d']ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジフラン(DBBDF)誘導体の効率的な合成に成功した.また,DBBDF上の置換基が各種物性やパッキング構造におよぼす効果について検討した.特に,分子長軸方向に直鎖アルキル基やアルコキシ基をもつ誘導体が液晶性を示すことを明らかにした.DBBDF誘導体は有機電界効果トランジスタの半導体層として利用可能であり,液晶状態を利用した配向制御により,その特性が向上することがわかった.
抄録全体を表示
-
岡本 敏宏, 中原 勝正, 田中 秀幸, オ ジュンハク, アッカーマン ヒルケ, バオ ゼナン, 松尾 豊
セッションID: B08
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
我々は今回新規な電荷輸送分子の構造制御法の開発を目的とし,アリール基とパーフルオロアリール基を置換基として有する各種アセン系化合物を設計,合成した.得られた化合物の単結晶X線構造解析から,導入した置換基間の相互作用により電荷輸送ユニット間のパッキング構造が制御され,強いパイパイ相互作用が実現されることを見出した. 本発表では, 得られた化合物の薄膜FETなどの電荷輸送特性についても併せて報告する.
抄録全体を表示
-
村田 剛志, 神崎 裕貴, 塩見 大輔, 佐藤 和信, 工位 武治, 森田 靖
セッションID: B09
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
トリオキソトリアンギュレン(TOT)は25π電子系の縮合多環構造を持ち、高い安定性と4段階の酸化還元能を有する中性πラジカルである。我々は、TOTを基盤とする新規な安定中性ラジカルの開発を目指し、様々な置換基の導入とその効果について研究している。本研究では、TOTのtert-ブチル基をハロゲン原子で置換した誘導体を合成した。また、その結晶構造や固体及び溶液状態での物性を明らかにし、それらを比較した。
抄録全体を表示
-
福圓 真一, 矢野 倫之, 東川 大志, 河村 亮, 石本 哲也, 井上 克也, 岸 亮平, 中野 雅由, 宮碕 栄吾, 瀧宮 和男, 山本 ...
セッションID: B10
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
当研究室では、二つのアクリデン部位を有するアレン化合物の二電子酸化による三重項カルベンの合成を検討している。アミニウム塩によるアレン化合物
1の二電子酸化の結果、得られた主生成物の
1H NMRはブロードでシグナルが観測されず、ラジカルの存在を示すESR測定ではピークが観測された。最終的に、X線解析、磁気測定及び理論計算により、予想に反して、この化合物が非常に興味深い電子構造を有する一重項ビラジカル種であることが示唆された。本発表では、その特異な構造と性質について報告する。
抄録全体を表示
-
齋藤 徹, 小西 彬仁, 平尾 泰一, 松本 幸三, 蔵田 浩之, 久保 孝史
セッションID: B11
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
過渡的な化学種として分光学的に研究が行われていたアンスロキシルラジカルを、10位に9-アンスリル基を導入することにより、空気中でも安定に扱える化学種として単離することに成功した。このラジカル種は、大気下シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することも可能である。興味深いことに、このラジカル種はラジカル前駆体のアルコール体と水素結合型錯体を形成することもわかった。100 KでのX線結晶構造解析の結果、水素結合型錯体中でプロトンは一方の酸素原子上に局在化していることがわかった。すなわち、フェノキシルラジカルとフェノールの間で起こる水素原子の自己交換反応の中間体類似物が固体として得られたことになる。
抄録全体を表示
-
森田 悠紀, 永谷 直人, 柴田 悠司, 坂本 健吉, 吉良 満夫, 權 垠相, 及川 英俊, 中西 八郎
セッションID: B12
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
ペルメチルデカシランのTHF溶液を高速撹拌されている水中にマイクロシリンジを用いて迅速に注入すると、見かけ上は透明な再沈殿試料が得られる。この試料を濾別し、SEMおよびXRDを用いて検討した結果、デカシランのナノ結晶であることが分かった。同じ方法で他のいくつかのオリゴシランもナノ結晶化した。ナノ結晶化オリゴシランは紫外域に鋭く強い吸収を示した。結晶化により励起子相互作用が発現したためである。
抄録全体を表示
-
松浦 孝弥, 久新 荘一郎
セッションID: B13
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
ケイ素骨格及びゲルマニウム骨格をもったσ共役系化合物の紫外吸収スペクトルについてはこれまで多くの研究がなされてきたが、その遷移や遷移モーメントの系統的な議論はほとんど行われていない。本発表ではラダーポリシランとラダーポリゲルマンの紫外可視吸収スペクトルにおける吸収波長及び分子吸光係数の詳細な考察を理論計算の結果から行い、ラダー化合物の特異な電子的性質やケイ素原子とゲルマニウム原子によるσ共役系の違いについて説明する。
抄録全体を表示
-
菅又 功, 笹森 貴裕, 時任 宣博
セッションID: B14
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
有機テルルハロゲン化物は非常に反応活性であり、安定な化合物として単離された例はごくわずかである。今回我々は、かさ高い置換基であるTbtおよびBbtを有する安定な有機テルルハロゲン化物の合成・単離を行った。ハロゲンか試薬の当量を制御することにより、対応するTe(II)とTe(IV)のハロゲン化物がそれぞれ得られた。得られた新規化合物についての構造や性質について報告する。
抄録全体を表示
-
山口 雄規, 中田 憲男, 石井 昭彦
セッションID: B15
発行日: 2011年
公開日: 2012/03/29
会議録・要旨集
フリー
Pd(PPh
3)
4存在下、ビス(ジベンゾバレレニル)ジスルフィド
1とDMADとの反応により、3-メチレン-2,3-ジヒドロチオフェン誘導体
2を合成した。
2は359 nmに3-メチレン-2,3-ジヒドロチオフェン部分に由来する吸収極大を持ち、488 nmに強い青色の蛍光を示した(蛍光量子収率0.91)。本発表では
2のエステル基の官能基変換と
2のセレン類縁体との比較についても報告する。
抄録全体を表示