熱硬化性樹脂
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14 巻, 3 号
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  • 榎 尚史, 竹田 敏郎, 石井 敬一郎
    1993 年 14 巻 3 号 p. 131-138
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    N, N′-4, 4-ジフェニルメタンービスマレイミド (BMI), 4, 4′-ジアミノジフェニルメタン (DDM), o, o′-ジアリルビスフェノールA (CA) を用いて, アミン変性マレイミド樹脂, アリル変性マレイミド樹脂の硬化方法と鎖延長反応の硬化物特性に及ぼす影響を検討した。
    硬化方法としては, 一定の高温で硬化させるよりも, 段階的に温度を上げて硬化させた方が比較的均質な硬化構造となる。
    BMI/DDM, CA系において, モル比が小さいほど, ガラス転移温度 (Tg) は下がるが, 破断時のたわみ量, 破壊靱性値 (K1c, G1c) は向上した。
    上記の結果を硬化構造との関連で考察を行った。
  • 松本 昭, 山下 幸彦, 大岩 正芳
    1993 年 14 巻 3 号 p. 139-145
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    スチレン (St) とp-ジビニルベンゼン (pDVB) のラジカル共重合について, ゲル化点以前でミクロゲル化の生起する臨界条件について検索した。すなわち, ベンゼン中での溶液重合をpDVB添加量および希釈度を種々変えて60℃で行い, 主として生成プレポリマーの光散乱測定から検討した結果, pDVB添加量20mol%, 1/5希釈系で明らかにミクロゲルの形成を示す結果が得られた。また, ミクロゲル化は架橋剤添加量や希釈度ばかりでなく, 一次ポリマー鎖長やポリマー鎖の剛直性にも依存することが示唆された。
  • 欧米を中心として
    中道 敏彦
    1993 年 14 巻 3 号 p. 146-160
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    欧米における環境問題と自動車塗料技術の動向についてレビューした。自動車塗装との関わりで環境問題を考える時, 様々な問題を総合的に考慮する必要がある。しかし, この中で最も大きな課題はVOC (Volatile Organic Compounds) の低減である。そこで, 先ず各国のVOC規制の動向とそれに対応する塗料技術, 特にハイソリッド型塗料, 水系塗料, 粉体塗料の技術動向について述べた。さらに, オゾン層保護, 温暖化, 車体軽量化, リサイクル, 酸性雨の諸問題と塗料の開発動向について述べた。
  • 森川 徹夫
    1993 年 14 巻 3 号 p. 161-166
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    大量生産・大量消費・大量廃棄によって有限な資源の枯渇化を招くと共に, 地球の環境容量を超えた高度の産業活動が地球規模での環境問題を引き起こしている。地球との共生を果たしながら産業活動の「持続的発展」を可能ならしめるためには, 地球規模での物質循環についての新しいシステム, 即ち「資源循環型社会」の構築が不可欠である。樹脂業界においてもプラスチック材料の評価項目に「環境適合性」が加わり, とくに「リサイクノレ性」が重視されるようになり, プラスチックリサイクルが強い社会ニーズとなってきた。そこで, 当社における「環境適合性」に対する考え方, 熱硬化性樹脂のリサイクルの方法についての考え方の一部を紹介する。
  • 石井 敬一郎
    1993 年 14 巻 3 号 p. 167-180
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    マレイミド樹脂の硬化物は耐熱性に優れ, 先端材料としての期待が大きい。しかし, 靭性に弱点がある。最近のマレイミド樹脂の研究は, 耐熱性を維持して, 靭性を向上させることに重点が置かれている。
    改良方法として, 芳香族ジアミンまたはジオレフィンによる架橋間の鎖延長と, ゴムまたは熱可塑性樹脂 (靭性改良剤) による変性が検討されている。これらに関連する反応の解明, 硬化構造と物性, 靭性改良剤による相分離構造と物性について, 最近の研究動向を紹介する。
  • 阿河 哲朗
    1993 年 14 巻 3 号 p. 181-187
    発行日: 1993/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    熱硬化性粉体塗料は全世界で着実な伸びを示しており, 今後も無公害塗料として重要な地位を占めていくことは疑いないであろう。用途の広がりや生産量の増加に伴い市場ニーズも多様化してきているため活発な開発, 改良がすすめられている。本稿では粉体塗料のうち熱硬化性粉体塗料に注目し, 最近の粉体塗料の生産量の推移, 地域別の成長度, 樹脂タイプ別の改良動向, 新規硬化剤, 新規硬化システムの開発動向, 将来の開発ターゲットなどを紹介することにより今後の方向性を探ることとしたい。また, 最近開発されたアクリル/ポリエステル複合硬化による艶消し粉体塗料についても概説する。
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