日中言語文化
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15 巻
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 字母 o の廃止と韻母修正案を中心に
    李 偉
    2022 年 15 巻 p. 1-19
    発行日: 2022/09/01
    公開日: 2023/03/26
    ジャーナル オープンアクセス
    「漢語拼音方案」は1958年2月に公表・実施されて以来、中国語「普通話」の普及、第二外国語としての中国語教育など多岐にわたる分野において多大なる貢献を果たしてきた。しかし、時代の限界性のため、当時制定された「方案」には解決されるべき問題がいくつか潜んでいる。時代の発展につれ、「方案」が実際に運用される中、次第にそれらの問題の弊害が明らかになってきた。よって、その問題が解決され、更に「方案」も完備されなければならない時期を迎えていると考えられる。筆者は、「方案」における数多くの問題の中でも、特に字母oの音声的性質及びピンイン教授における問題が最も顕著であり、様々な支障をきたしていると考えており、音韻論からの分析、実験音声学の研究成果、及びピンイン教授における実際の問題に基づき、字母oを廃止する案を提示したい。またこれを突破口に、「方案」の韻母表を見直すことにより、音韻論からしても合理的で、実際の発音に比較的近い、ピンイン教授にも便宜的な韻母修正案を提起したい。最終的には字母o以外にも、y,wの表記、üの表記、省略表記などの相関問題を継続的に研究し、それを通して、より合理的、体系的、かつ簡明な「方案」の修正案を提唱したい。
  • 崔 雲忠, 肖 霊修
    2022 年 15 巻 p. 21-28
    発行日: 2022/09/01
    公開日: 2023/03/26
    ジャーナル オープンアクセス
    There is a certain correspondence between the form and meaning of the verb copy structure. The semantic basis of the verb copy structure is information increment. From the syntactic and semantic point of view, the verb copy structure can also be called “information increment structure”. Each member of the structure has a certain degree of openness; with complement as the center, its semantic orientation can be: verb, object, subject and extra-sentence element. Through the semantic analysis of the “V+O+V+C” structure, it is concluded that its sentence meaning is the incremental expression of information, and its function is to highlight the discourse background and express the three-dimensional semantic relationship.
  • 楊 華
    2022 年 15 巻 p. 29-35
    発行日: 2022/09/01
    公開日: 2023/03/26
    ジャーナル オープンアクセス
    『顔の中の赤い月』は、戦後派代表作家野間宏の初期代表作の一つである。主人公北山年夫は堀川倉子の顔にある苦しげな表情にとらわれたが、その顔を見つめていくうちに、残酷な戦場、戦友の最期の状況を思い出される。北山は始終戦争記憶に苦しめられ、結局、倉子と別れることにしてしまう。今までこの作品に関する研究は主に登場人物、奪われた人間性、エゴイズム、象徴主義などをめぐり行われ、トラウマ理論で解読するものはまだ見られない。本稿はフロイト、キャシー・かルースなどの理論によって、トラウマの視点から、北山の戦争体験、戦後のトラウマ表現、ちなみに彼の戦争トラウマが回復できるかどうかを究明する。
  • 周 暁靚 , 劉 勝凱
    2022 年 15 巻 p. 37-49
    発行日: 2022/09/01
    公開日: 2023/03/26
    ジャーナル オープンアクセス
    writer. He belongs to the New Romantics in the early stage, and his later works show the tendency of Realism. During the period of Japanese War of aggression from 1931 to 1945, Mimei Ogawa mostly took Japanese aggression as the stage to write the wartime state in his fairy tales. Especially after the outbreak of the Japanese War of aggression against China, the strict regulation of culture was implemented in Japan. Mimei Ogawa wrote and praised the war many times in the fairy tales, which clearly showed his high nationalistic sentiment. Through a detailed textual analysis of Mimei Ogawa’s fairy tales published during the“Fifteen Years’ War”, this paper explores the specific expression of war consciousness in Mimei Ogawa’s works. Then from the author's educational background and the social environment of Japan during the war, this paper discusses the causes of the war consciousness in Mimei Ogawa's fairy tales.
  • 「羅祖退番兵」を中心として
    夏 雨
    2022 年 15 巻 p. 51-64
    発行日: 2022/09/01
    公開日: 2023/03/26
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    羅教は明代成化年間に創立された民間宗教であり、明清時代の民間宗教に画期的な影響を与えた。創立者の羅祖 は、謎に包まれ、未だに明らかにされていない部分が多い。歴史上に実在した羅祖とは別に、羅祖に関する伝説は多くの地域に広まった。そのうち、羅教の信者が創作した羅教の起源に関する神話もある。中でも、「羅祖退番兵(羅祖が番兵を退けた)」という伝説は広く知られている。実際、この伝説は羅教の信者が文学作品から影響を受け、戯曲や小説から素材を取り入れて創作したものである。その創作過程を明らかにすることで、羅教の信者自身がどのように歴史を構築し、どのような意識を持っていたかを垣間見ることができる。そこで、本論では「羅祖退番兵」という伝説の形成過程を分析し、それが創作された源流を探り、ひいては、信者の羅教に対する意識を明らかにしたい。
  • 竹宮 英朗
    2022 年 15 巻 p. 67-75
    発行日: 2022/09/01
    公開日: 2023/03/26
    ジャーナル オープンアクセス
    本論は、『爾雅』に見られる病名を分析し、それがどのように変化していったかを分析した。用例が比較的少なく、後世ではあまり使われなくなっていったものも存在する一方、用例は比較的多く、その病気としての意味が薄れて一般的な語として用いられるようになったものもあった。また、病気以外の意味がもともとあり、その用例も多く、病気としての意味が次第に淘汰されていったものもあった。そして、『爾雅』における精神的意味での病気とは異なり、身体的な病気としての意味を持ち、その使用例も多く、後者の方が次第に定着していったものもある。『爾雅』における多くの語が病気としての意味を失っている一方で、病気としての意味の用例が多く、出土文献にも用例が見られ、医学文献にもその意味が引き継がれていったものもあった。なお、病気としての意味を持つ用例が極めて少なく、当時の使われ方を窺い知ることができないものもあった。
  • 梁 相楠
    2022 年 15 巻 p. 77-81
    発行日: 2022/09/01
    公開日: 2023/03/26
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    本文の叙事学理論の経路はポスト古典の叙事理論の研究方法に従い、経典叙事学による叙述音声の理論的枠組みの構築--内外学界の「叙述音声」の範疇の定義には主に 4 種類の傾向がある:語り手音声、著者音声、テキスト内外のすべての音声、修辞手段、その上で、後経典叙事学を参考にして、女性主義叙事学とイデオロギー叙事学の関連の観点に基づいて、村田沙耶香は『コンビニ人間』の中でどのようにして女性叙述の声の構成を行ったのかを探究することに努力して、またこのような女性叙述の声はどのように村田沙耶香の表現したい女性の意識を浸透しているのか。前半では、『コンビニ人間』の概要と研究経路を紹介し、『コンビニ人間』の叙述音声のうち、語り手の叙述音声を解析した。その上で、本編では引き続き、『コンビニ人間』における著者の語り声と、その語り声の後に、村田さやかが自らのフェミニズムのイデオロギーをどのように伝えていったのかを論じていきたい。
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